攻撃の起点として存在感。C大阪U-18の10番MF木實快斗が目指す「点に絡めるプレーメーカー」への変貌
ゲキサカ / 2024年4月8日 19時38分
[4.7 プリンスリーグ関西2部第1節 C大阪U-18 0-0 滝川二高 J-GREEN堺]
7日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024関西2部が開幕。セレッソ大阪U-18(大阪)と滝川二高(兵庫)の一戦は0-0の引き分けとなった。
試合序盤から相手を押し込み、チャンスを作りながらもスコアレスドロー。今季からC大阪U-18の指揮を執る金晃正監督は「1年で1部に戻るためにも勝ちたかった。引き分けではいけない。これだけチャンスがある中で、決め切れなかったことが引き分けの原因」と悔しさを滲ませた。
ゴール前の質という課題は浮き彫りになったものの、見えたのは決して課題だけではない。「色んな所から点を取るトレーニングを日ごろからしていて、そこでの良い形が出せた」と金監督は評する。MF西川宙希(3年)とMF首藤希(3年)の両翼を起点にチャンスを作りながら、隙を見ては2トップが相手DFの背後を狙う攻撃は今後の可能性を感じさせるものだった。
攻撃の起点として存在感を発揮したのは10番を背負うボランチのMF木實快斗(3年)。支配率が高いゲームとなったため、注意していたのはミスからのカウンターによる失点だった。最終ラインからの配球にタイミングよく顔を出して受けた木實は「あまりボールを持たずにシンプルに展開して、テンポを出そうと意識していた」と両サイドへの大きな展開でチャンスを演出。隙を見ては差し込むスルーパスも質も高く、この日の主役と言えるパフォーマンスだったのは間違いない。
ゴールへの意識からは成長の跡を感じさせる。「今年は自分たちの代なので、引っ張っていくようにコーチからも言われている」と話す木實は今年に入ってから、プレーでチームをけん引するため点に絡むプレーを増やそうと意識してきた。
この日の試合でも開始序盤にミドルシュートを披露。ボランチの位置でサイドに叩いて、ゴール前の折り返しを自らが合わせに行くなど積極的に得点を狙う姿勢が印象的だった。「プロを目指している以上はこういうゲームでも点を取ったり、取らせないといけない。そこが、この1年でどれだけ変われるか」とハッパをかけるのは金監督で、点に絡めるプレーメーカーへと変貌を遂げることができるか注目だ。
ソレッソ熊本からC大阪U-18に加入した初年度は、上級生たちへの遠慮が見られた上に慣れないポジションへの適応に苦しみ、持ち味を発揮できなかったという。本職であるボランチに戻った昨年は2年生ながらも主力としてプレーし、長所である視野の広さを生かした展開力を取り戻しつつある。同時に「セレッソに入ってから敵が来ても怖がらなくなった」ことも収穫だ。
1年目はプレミアリーグWESTでプレーしたが、プレーオフで神村学園高(鹿児島)に敗れプリンスリーグ関西1部に降格。1年でのプレミア復帰を目指した昨年も思い通りの結果が残せず、2年連続での降格を味わった。今年は1部復帰が至上命題。金監督から「1試合1試合が決勝戦だ」と声を掛けられ、選手全員の勝利への貪欲さが高まっている。
木實自身にとっても、高校生活最後の年を迎えた今年は大事な1年。「中学からセレッソに進むときもここでプロになりたいと思った。その想いで2年間プレーして来たので、昇格したい想いは強い」。勝負の年を笑顔で終えるためにも視野の広さという特徴を前面に出しながら、貪欲にゴールを狙いに行く。
(取材・文 森田将義)
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