[MOM4671]藤枝東FW湯山大輔(3年)_走力の成長に加え、得点に対する意識変化。プリンス東海で3戦8発!
ゲキサカ / 2024年4月22日 18時7分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.20 プリンスリーグ東海第3節 藤枝東高 2-1 浜名高 藤枝東高G]
「昨年よりもパンチのある選手は少ないけど、点が取れる」。小林公平監督の言葉通り、藤枝東高(静岡)は開幕からの3試合で10ゴール。うち8ゴールを記録しているのが、ワントップを担うFW湯山大輔(3年=清水エスパルスジュニアユース出身)だ。
「入りが悪かった。浜名のサッカーは分かっていたのですが、自分たちのサッカーが全くできなかった。1試合通して個で負けることが多くて、内容がダメだった」。そう振り返る浜名高(静岡)戦でもゴールラッシュは止まらない。湯山自身も身体が重く、「あまり調子が良くなかった」というが、ゴール前での一瞬の隙を見逃さないのは見事だった。
最初の見せ場は前半23分だ。右サイドをオーバーラップしたDF井上凱晴(2年)のパスにゴール前で反応。「上手くターンができた。DFがシュートブロックに来るなと思っていたので、落ち着いて切り返すことができた」と冷静に相手をかわして、ゴールネットを揺らす。前半終了間際の45分にはスローインをPA内でトラップ。「PA内にボールが入れば、相手はファールができないので勝てる自信はあった」。そう話す湯山は、絶妙なターンから勝ち越しゴールを叩き込んだ。
後半は背後へのすり抜けを狙いながら上手く行かない場面が続いた。万全の状態とは言えなくてもエースとしての仕事をきっちり果たすあたりにストライカーとしての充実ぶりが伺える。その仕事ぶりは、敵将の内藤康貴監督が「去年の県1部リーグなら、今日みたいなゲームで負けなかったと思う。でも、プリンスには一人の力で試合をひっくり返せる子がいる」と脱帽するほどだった。
サイドハーフが主戦場だった昨年は10得点だったが、今年はすでに8得点。得点力の開花には理由がある。「大輔はトレーニング中でも責任感が凄く出てきた」と話すのは小林監督だ。「マジで走りをサボっていた」と認める通り、昨年まではスプリント回数が課題だったが、新チームになってからは回数が増加。高強度ランニングもチーム上位に入るようになり、守備強度が上がった。
走力の成長に加えて、得点に対する意識変化も大きい。「相手との駆け引きやゴール前で怖さを出す所を意識してやっている。それが上手く結果に繋がっている。FWなので毎試合点を取ろうと常に意識している」。今年の藤枝東はサイドが長所であるため、良いクロスが必ず上がってくる。ボールが入ればDFを上手く剥がして常に前を向こうとすることで、相手に怖さを与えようと心掛けているという。
旧友の活躍も刺激になっているのは間違いない。中学時代にチームメイトだった清水ユースのMF西原源樹(3年)は今季2種登録でプロデビュー。浜名戦と同日に行なわれたJ2仙台戦でクラブ最年少ゴールをたたき出している。「仲が良かったので負けたくない。向こうはトップチームで出ているので今は負けているのですが、頑張って追い付きたい」。そう意気込む通り、次節以降もゴールラッシュを続け、目標のプロ入りを手繰り寄せるつもりだ。
(取材・文 森田将義)
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