U-23日本代表はパリ五輪まで迅速準備へ! 6月に海外遠征予定、壮行試合は無し、久保招集は「クラブがNoならNo」
ゲキサカ / 2024年5月1日 6時44分
U-23日本代表に同行する山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)が4月30日に囲み取材に応じ、パリオリンピック出場に向けた準備について語った。
4月29日のU23アジアカップ準決勝でイラクに勝利したU-23日本代表は、同大会上位3か国以上の条件を満たし、パリ五輪出場を決めた。本大会のグループリーグ初戦は7月24日。それまでにさらなるレベルアップをする必要がある。
これまで五輪世代の強化に充てられていた6月のモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)は、今年はU-19日本代表が参加。一方、U-23日本代表は6月に海外遠征を検討しているという。山本NDは「現場の要望に従って(海外に)出る方向で最終調整している」と言及した。
U-23世代のチームでマッチメイクできるのは、パリ五輪出場を決めている16か国となる。本来は遅くても1月にはパリ五輪出場を決め、半年間で準備を進めるが、今回はコロナ禍の影響で3か月で準備を進める必要がある。山本NDは「U-23のチーム自体が極端に少ない。世界で(五輪出場の)16チームしかない。アジアが一番苦労しているが、準備は進めている」と語った。
パリ五輪出場が決まったのが前日ということもあり「まだ確定していないのでなんとも言えない」と山本ND。それでも五輪前最後の活動に向け、すでに話は進み始めているようだ。
また、日本女子代表(なでしこジャパン)はパリ五輪直前の7月に国内で壮行試合を行うが、U-23日本代表は行わない方針。Jリーグとの兼ね合いも考慮しながら、時差のあるフランスの環境に順応する時間を長めに取る意向のため、壮行試合を行える時間的余裕はないという。直前の国内合宿についても、現場サイドでの要望次第で変更はあり得るが、現状はないようだ。
オーバーエイジ枠に関しては、A代表側は全面協力の体制を取る。4月30日に森保一監督が帰国した際に言及しており、「メダルを取るためにいい連携でサポートできれば」と発言していた。合流タイミングなどは6月が妥当ではあるが、山本NDはU23アジア杯決勝後に今後の強化について詳細を明らかにする旨を述べている。
すでにA代表常連のパリ五輪世代・久保建英(ソシエダ)については、参加に前向きという一部報道も多い。山本NDも否定せず「彼はA代表の選手。クラブとは日常的に担当がコミュニケーションを取っていて、状況は常に把握している」と言及。「一番のハードルはクラブ。クラブに出す義務はない。クラブがNoとなったらNo」と語るに留まった。
また、パリ五輪世代の海外組についても触れた。大岩剛監督体制の常連であるGK鈴木彩艶(シントトロイデン)、MF鈴木唯人(ブレンビー)、MF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)、FW斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)、FW小田裕太郎(ハーツ)など海外組はU23アジア杯でも招集できず。それを考慮して、大岩監督は招集できる選手で戦えるように、ラージグループを設けて戦術を落とし込み、U23アジア杯決勝まで勝ち進んできた。
本大会での選出にも期待がかかるが、久保と同様にクラブに派遣義務がないため厳しいようだ。山本NDは「クラブからの了解が取れないといけない。それは全世界でどこも苦労している。クラブとの交渉は簡単ではなく、本当にハードルが高い」と難航している様子をのぞかせた。
(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2024特集●パリオリンピック(パリ五輪)特集
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