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創部からチームを率いる就任23年目の指揮官、悲願の群馬制覇達成に男泣き!共愛学園は5発快勝で常磐を撃破して初の全国切符!

ゲキサカ / 2024年6月17日 20時7分

 だが、試合を締め括る最後の得点も共愛学園が奪う。アディショナルタイムに差し掛かった40+1分。中盤を引き締めたMF木内慧(3年)が左へ振り分け、坂本が左足で打ったシュートはクロスバーに跳ね返るも、こぼれをエルデン・バータルが頭でプッシュ。「共愛のプレースタイル的に、大差が付くことはあまりなかったので、予想外でビックリしています」。阿久津が笑いながら、胸を張る。

ダメ押しの5点目を挙げた共愛学園MFエルデン・バータル(13番)

 ファイナルスコアは5-1。「インターハイを通してチームに一体感が出てきて、試合が終わった時にベンチの選手が出てきたのもメチャクチャ嬉しかったですし、奈良先生には厳しく指導してもらってきた分、ここで泣かせられたのは良かったかなと思います」(阿久津)。大願成就。指揮官、男泣き。6度目の県決勝でようやく初勝利を掴んだ共愛学園が、創部23年目にして初めてとなる全国出場を力強く手繰り寄せた。

試合終了の瞬間。奈良章弘監督は両手で万感のガッツポーズ!



 日韓ワールドカップに日本中が湧いた2002年。もともとは女子校であり、共学化されたばかりの共愛学園に男子サッカー部が創設される。初代監督に就任したのは、東海大を卒業したばかりの22歳。新卒で採用された奈良章弘だ。

「『男子生徒が入ってくるから、サッカー部が作れるぞ』という話で共愛に来たんですけど、選手が集まらないので、体育の授業で声を掛けて『サッカーやろうぜ』と。でも、選手もやめちゃったり、続かなかったり、それこそ『彼女とデートがあるので部活を休みます』というヤツもいたりして(笑)、そんなところからのスタートでしたね」(奈良監督)。まさにゼロからのスタート。とにかく目の前の生徒たちと、毎日格闘し続けてきた。

 監督就任9年目の2010年にはインターハイ予選で初めて決勝へと進出。その2年後には県総体(関東大会予選)でも準優勝に輝く。少しずつ結果が出始め、選手たちも集まってくるようになったが、奈良監督の母校でもある前橋商と対峙した2020年の高校選手権予選決勝では、後半終盤まで1点をリードしていたものの、そこから2点を奪われて悪夢の逆転負け。どうしても頂点には手が届かない。

 ただ、積み上げてきた歴史は確実に芽吹いていた。「自分が中学生の時に、前橋商業との決勝まで行った代の試合を見ていて、『面白いサッカーだな。共愛に入りたいな』と思ったんです」(中野)「中学生の時に選手権の準決勝の試合や前橋商業との決勝も見ていて、凄く面白いサッカーをしていたので、『共愛に入りたい』という憧れがありました」(栁澤)。2年前の高校選手権予選も、昨年の新人戦も決勝で敗退したが、今年の3年生はその2度の悔しさをスタンドやピッチで経験した世代。彼らの中でも県制覇は、現実的な目標として捉えられるようになっていく。

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