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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:5人目の交代(浦和レッズユース・吉澤匠真)

ゲキサカ / 2024年7月25日 7時35分

「今日ピッチに立ってみて、より『試合に出たい』という想いが増した部分はありますけど、チームとしてピッチ外や普段の私生活のところでも、自分は一体感の部分を気にしてやっているので、やっぱりチームとして勝てたことは非常に良かったかなと思います。キーパーの練習の中でも課題は見つかりますし、焦らず、しっかり一歩一歩着実に成長して、また出場機会を得られるように頑張りたいです」。

 そう話した吉澤は、続けて塩田GKコーチへの想いも口にする。「半年間キーパーの練習をやってきた中で、まずは常に塩田さんが最高の準備をしてくれていて、自分たちの成長のことを何よりも優先して考えてくれているなということは常に感じているので、その期待に応えたいですし、自分もその気持ちを受け取りながら成長したいなと思えるコーチです」。たとえ半年あまりでも、濃厚な時間を重ねてきた“師匠”との絆が固くないはずがない。

 ここからはまた競争の日々が待っている。試合当日までは切磋琢磨し合い、白黒が付いたらそれぞれの役割と正面から向き合う。ゴールキーパーとして生きていくのであれば、この宿命から逃れることはできない。ただ、そんなことはもうとっくに理解している。

「今日来ている選手の中では一番長くレッズにいるのが自分と照内で、小3からこのクラブにいる分、レッズ愛は誰よりも強いと思います」という吉澤に、最後に聞いてみた。「あの声の大きさだったら、満員の埼スタでもよく通るんじゃない?」

「うーん……、たぶんちょっと難しいですね(笑)」。少しだけ考えて、そう言葉を返してくれた吉澤は、ちゃんと丁寧にお辞儀をして、ロッカールームへと小走りで帰っていった。

 真夏の長居で行われた『5人目の交代』には、彼を取り巻く多くの人たちの熱い想いが込められていた。きっとこれからも、その姿勢は変わらない。今の自分にできることを、全力で、真摯に、堂々と。それがユースの試合のベンチであっても、超満員の埼スタのピッチであっても、よく通る声を響かせて、大きな笑顔を湛えて、吉澤は自分の居場所に、自分の足で立ち続ける。



■執筆者紹介:
土屋雅史
「群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に『蹴球ヒストリア: 「サッカーに魅入られた同志たち」の幸せな来歴』『高校サッカー 新時代を戦う監督たち』
▼関連リンク
SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史
●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集

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