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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:真夏の余韻(川崎フロンターレU-18)

ゲキサカ / 2024年8月3日 21時28分

 前半から攻勢を強めるものの、なかなかゴールは奪えない。0-0で迎えた後半の飲水タイム。選手たちは他会場の神戸U-18が2-0で勝っているという報せを聞く。得失点差と総得点を考慮すると、3点が必要な状況を突き付けられたが、「『ここから巻き返すぞ』という空気がチーム全体に流れていました」とその時の雰囲気を恩田が振り返る。

 ドラマは最後の15分間に集約される。59分、林駿佑。60分、平塚隼人。67分、香取武。そして70+4分、恩田。結果的に3-0で勝利を収めた神戸U-18を得失点差で「1」だけ上回り、川崎F U-18のグループステージ突破が決まる。

「凄いですね。よく頑張りました。『やってくれるな』という気はしていました。ただ、さすがに3連戦で、気持ちだけでどこまで行けるかというところは心配だったんですけど、私の想像を彼らは遥かに上回りました。素晴らしかったです!」。試合後。チームを率いる長橋康弘監督が、興奮気味にそう話していた姿が印象深い。



 27日。ようやく1日の休息を挟み、大宮アルディージャU18と激突した準々決勝は恩田、知久陽輝、土屋櫂大、楠田遥希がゴールを重ね、またも4-0で快勝。川崎F U-18は味の素フィールド西が丘で行われるセミファイナルを戦う権利を、力強く手繰り寄せる。

「日程の変更だったり、キックオフ時間のズレだったり、もしかすると雷で中断してしまうのかなとか、選手たちもいろいろなことを絶対に考えるはずなんですよね。そういった中で、この短期間で選手たちが凄くタフになったなと思います」。指揮官はそう言って胸を張る。とにかく過酷な群馬ラウンドを勝ち上がっていく中で、気付けば選手たちはかつてないほどの逞しさを身につけていた。

 29日。川崎F U-18は瀬戸際まで追い詰められていた。今大会を席巻したアビスパ福岡U-18との準決勝。後半に入って一気に出力を上げた相手の攻撃に耐え切れず、63分に先制を許すと、以降は攻めても、攻めても、ゴールが遠い。所定の80分間が終わっても、スコアは0-1のまま。だが、選手たちは信じていた。自分たちの真価を。自分たちの奇跡を起こす力を。

「グループステージの鳥栖戦も最後の15分で4点決めて追い上げたので、そのことがみんなの自信になっていたというか、『まだまだ全然やれる』という声がみんなから飛び交っていたので、僕からは何も言うことがなかったですね」。そう口にしたキャプテンが、チームを土壇場で生き返らせる。

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