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指導者2年目の“新米”高校教師、奮闘中。母校・水戸啓明のコーチに就任した元Jリーガーの金久保順が向き合う新たなサッカーとの関わり方

ゲキサカ / 2024年9月1日 18時24分

 金久保コーチが在学していた頃の校名でもある水戸短大付属高時代には、5度の高校選手権出場を誇っていたものの、2012年に水戸啓明に改名して以降で見ると、冬の全国出場は2013年度の1回のみ。10年近く晴れ舞台からは遠ざかっている。

「本音を言うと環境も含めて、マネジメントも含めて、いろいろなことを変えていかないといけないとは思うんですけど、そこはクラブチームではなくて部活動なので、その中でできることを探すと、僕はまず個人の育成を第一に考えています。僕が彼らに関われるのも長くて3年間なので、選手が大学やトップレベルのリーグでやりたいと思った時に、そこで通用するような選手を育てたいという想いもありますし、イチかバチかの勝負でトーナメントを勝ち上がるようなサッカーはしたくないので、『判断のないプレーは絶対になしにしよう』とは言っています」(金久保コーチ)

 キャプテンの渡邊も“先輩”のコーチ就任が、チームに与えている小さくない影響を実感しているようだ。「昔は強いチームだったので、そういう頃のOBの方との関わりも増えてきていますし、自分たちに期待してくれているのが伝わるので、その期待に応えようとチーム一丸となって頑張っています。夏もみんなで苦しい時間を乗り越えて、頑張ってきたので、後悔がないようにやり切って、最後に全国の切符を手に入れられたらなと思っています」。

チームのキャプテンを任されているDF渡邊アンヘル武蔵

 指導者を始めて2年目。母校を率いて1年目。まだまだ駆け出しではあるけれど、この世界の楽しさを知ってしまったからには、もう後戻りできない。このチームを、この選手たちを、半歩でも前へ、一歩でも先へと進めていくことが、今の自分がやるべきミッションだ。

「『指導者としての感覚』と『選手だったころの感覚』と、その両方を持って指導できれば、それが自分の強みになっていくと思うので、まだまだたくさん勉強したいですし、自分の良さを出しながらも、指導者として最低限の知るべきことはしっかり学びながらやっていきたいと思っています」。

 サッカーと生きてきた男が、果敢に飛び込んだ“第二の人生”。母校再建へ自らの持てるものすべてを注ぎ込む覚悟なんて、もうとっくに定まっている。水戸啓明を率いる“新米”高校教師にして、“新米”指導者。金久保順の挑戦はきっとここから、もっともっと面白くなっていくはずだ。



(取材・文 土屋雅史)

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