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指導者2年目の“新米”高校教師、奮闘中。母校・水戸啓明のコーチに就任した元Jリーガーの金久保順が向き合う新たなサッカーとの関わり方

ゲキサカ / 2024年9月1日 18時24分

 効果てきめん。「ああやって引かれたら中央突破は難しくなってくるので、そういう意味でクロスからの得点は狙い通りの形ではありました」と口にした金久保コーチのハーフタイムの檄が生きた格好で、チームはスコアを振り出しに引き戻してみせた。


 試合中の大半はベンチに座って、ピッチを見つめている。この日もテクニカルエリアまで出てきて、選手たちへと指示を送った回数は片手で数えられる程度。そこには自身が考える指導者としての在り方が、色濃く反映されている。

「理想は自分が何も喋らないことですね。選手が自分たちで課題を解決していくのがベストだと思いますし、そういう意味では本当に言うべきところだけは言ってというスタンスでやっています。僕も現役時代はあまり言われるのが好きなタイプではなかったですし(笑)、自由にやらせてあげたいなという気持ちはあるので、要所要所で話す感じです」。



 チームのキャプテンを任されている渡邊も、そのスタンスは十分に理解しているようだ。「ピッチの中では『自分たちで気付いてやれ』ということをよく言われていますね。飲水タイムとかハーフタイムの時に『どうなんだ?』と聞かれて、そこで自分たちが気付いていないことは『もっとこうした方がいいよ』と教えてくれますし、普段はよく喋りかけてくれるので、関係性はいいと思います」。

 普段のトレーニングでも多くを求め過ぎないことを、多くを言い過ぎないことを、心掛けているという。「練習の時から同じようなことしか言っていないですよ。『自由な発想で』みたいな話はしますけど、選択肢を二択か三択ぐらいにしてあげているイメージですかね。一生懸命やれる子たちなんですけど、まだまだなので、『幅』とか『深み』とかなるべく簡単な言葉で伝えるようにしています。言いたいことはたくさんあるんですけど、それだと僕のアイデアをやることになってしまいますから」。

「まだ自分の発想を超えるプレーは見られていないですけど(笑)、そういうことが出てきたらもっと育成にハマっていくんでしょうね」。幼い頃から天才ミッドフィルダーとして注目を集め、プロ入り後もそのアイデアあふれるプレーで多くの観客を魅了してきた金久保コーチだけに、渡邊も「1人少ない時とか順さんが一緒に入ってゲームをしたりするんですけど、やっぱり『上手いなあ』ってみんなで話しています(笑)」と明かしていたが、その発想を超えるのはなかなかハードルが高そうだ。

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