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経験豊富な指揮官も認めた「今までとは違ったもの」を発揮して執念の勝点1獲得。今季の横浜FMユースが掲げるのは「主体的な対話」と「人としてのパワーの出力」

ゲキサカ / 2024年10月16日 16時31分


 後半18分には3失点目を献上し、両者の点差は2点に開く。だが、追い込まれたチームはまだ死んでいなかった。ベンチも交代カードを切りながら、終盤にはシステム変更にも着手。「ビルドアップや前線からのプレッシングの中で、いつもできることを表せなかったので、『もっと自分たちはできるよ』というところを無理やり形で出した感じですね」とは冨樫監督だが、選手たちは終盤に意地と執念をピッチ上で絞り出す。

 40分。右サイドで得たCKをショートで始めると、德田が入れたクロスのこぼれ球を、詰めていたセンターバックのDF藤井翔大(1年)が気持ちで押し込む。2-3。ピッチの中の熱量が一段階引き上げられる。

 42分。左サイドでスローインを受けた望月は、力強い前進から右へ展開。途中出場のDF早川優世(2年)がグラウンダーで中へ入れたボールを、同じく途中出場のMF関野愛紀(3年)がわずかに触り、左スミのゴールネットへ流し込む。3-3。土壇場でスコアは振り出しに引き戻される。

「自分たちは追い付かれた後に追い付くメンタルはなかなか持てていなかったんですけど、今日は相手も含めて燃えるものがあって、そこで追い付けたのは自分たちにとって凄く大きなことですし、そういうメンタルを持てるようになってきたというのは、1つの成長だと思います」(德田)「チームも『プレーオフには必ず行かないといけない』という気持ちで毎日練習に取り組んでいるので、みんなの気持ちが強く表れたから最終的に追い付けたのかなと思います」(望月)

 苦しい展開の中で、最終盤に全員が大きなパワーを打ち出して、何とか強奪した勝点1。現状で2位に位置する横浜FMユースは、ともに1試合消化数の少ない3位の浦和レッズユースとは2ポイント差、4位の矢板中央高とは5ポイント差離れている。この日の1ポイントにどういう意味を持たせられるかは、これからの自分たち次第だが、そんなことも彼らは十分に理解している。


 ここ数年は年代別代表の指導を任されており、昨年はU-20日本代表を率いてワールドカップの舞台も経験した冨樫監督だけに、その手腕へ周囲からの小さくない期待が寄せられていることは間違いないが、そんな現状を本人はしなやかに受け止めている。

「やっぱり『来たらすぐにチームが変わる』とか思ってもらっていても、自分はそんな大それた人間でもないので(笑)。ただ、オープンにみんなとやっていく、他のカテゴリーとも関わってやっていく中で、他のカテゴリーもユースを見たいなと思ってくれて、実際に見にきてやり取りができて、自分もトップチームに、あるいは代表にちゃんと選手を送り出していきたいし、いろいろなことをオープンにすることでまた良い組織ができればと思っているので、それが自分の使命かなとは思っています」。

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