“絶対王者”富山一の10連覇阻んだ龍谷富山が史上初の決勝進出!! 創部&就任21年目で夢に近づく元名門校GK指揮官「浮かれることなく準備したい」
ゲキサカ / 2024年11月6日 13時17分
[11.4 選手権富山県予選準決勝 富山一高 1-4 龍谷富山高 高岡スポーツコアサッカー・ラグビー場]
第103回全国高校サッカー選手権富山県予選は4日、高岡市の高岡スポーツコアサッカー・ラグビー場で準決勝を行い、創部21年目の龍谷富山高が史上初の決勝進出を果たした。主将で背番号10のFW横山旺世(3年=富山U-15)が先制ゴールを含むハットトリックの大活躍を果たし、9連覇中の絶対王者・富山一高に4-1の大差で圧勝。悲願のジャイアントキリングで歴史を変えた。
同校を率いるのはかつて名門・習志野高のGKとして高校サッカー生活を送り、J3カターレ富山の前進クラブにあたるアローズ北陸でプレーした経験を持つ濱辺哲監督(45)。2004年の同校サッカー部創設とともに現役生活に区切りをつけて今年で21年目、創部当初は部員が11人にも満たなかったチームを県内最高峰の舞台に導いた。
昨季は史上初めて高円宮杯プリンスリーグ北信越2部に昇格したが、結果は14戦全敗。だが、そんな苦境も飛躍の礎となった。「勝ち星には恵まれなかったけれど、その中でも大量失点しても1点取って帰ってくるとか、最後まで諦めない姿勢は今年に引き継いだものがある。いまの3年生は去年経験を積ませてもらったものがすごく財産になっている。この代だけじゃなく、先輩たち、OBたちの積み重ねが花開いたかなと思います」(濱辺監督)。この日は数多くのOBも観戦に訪れていたが、指揮官は彼らへの感謝を口にした。
龍谷富山高を率いる濱辺哲監督
“トミイチ”の愛称で親しまれる絶対王者・富山一高撃破は大きな悲願。「女子高から共学になって、サッカーか野球となった時にサッカーを学校から選んでくれた。それからこの日を夢見てきた。でも、もう一つ残っているので浮かれることなく準備したい」。濱辺監督は9日の決勝・富山東高戦を見据える姿勢を強調しつつも、大きな扉を開く1勝に感慨をにじませた。
試合内容でも見る者を驚かせ、胸を打つ80分間を演じていた。3-4-3で幅広く選手を配置する富山一のパワフルな攻撃に対し、ブロックを引いて受けに回るのではなく、4-2-3-1をベースとしたプレッシングで渡り合う戦い方を選択。ひとたびボールを奪えば積極的なカウンター攻撃も展開した。
エンド選択で風下に回っていたこともあり、前評判では一方的な劣勢を想定する声もあったが、守備ではDF宮林渉(3年=STG.FC)を中心に危なげない対応を続け、試合の立ち上がりから何かを起こす可能性を感じさせていた。
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