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0-2から大逆転で日本一! 浦和Jrユースの合言葉は「仁さんのために」慕われながらクラブを去る36歳指揮官、主将が継承する“浦和の血”

ゲキサカ / 2024年12月28日 6時30分

 この日の浦和Jrユースは前半30分までに0-2とされ、そのままハーフタイムを迎える苦しい展開。しかし、金生谷監督は声を荒らげるような素振りは見せず、時には笑顔を見せながら選手たちと向き合っていた。

「大好きな子たちに楽しんでもらいたい、それが一番ですね。勝ってほしいことより、楽しんでほしいが先に来ていました。笑顔でというのは意識してというより、自然にそうなっていましたね」。そんな指揮官に勝敗に対する不安は「全くなかった」という。

「この大会は初戦から、最後の最後まで何かやってくれるだろうなという期待しかなかったですね。選手も僕たちスタッフも本当にお互いが信頼し合っていたから、俺たちは大丈夫というそれで繋がっていた。だから何の不安も本当になかったです」(金生谷監督)
途中投入の選手に笑顔を向ける金生谷仁監督
 だからこそ、ハーフタイムにまずかけた言葉は叱咤ではなく「楽しんでるか?」という問いだった。

「ハーフタイムに帰ってきた時もまず『楽しんでるか?』と聞いたら『楽しい!』っていうから『じゃあいい!』と。もちろん戦術的なことも言いましたが、選手たちが何よりもそう(楽しいと)思ってプレーしてくれたのであればよかったなと思います」(金生谷監督)。その返事を聞いて、選手たちへの信頼が揺らぐことはなかった。

 もっとも指揮官の言葉通り、ハーフタイムには戦術的な変更も試み、これが反撃の一助となった。先発の4バックには左から186cmのDF瀬戸駿(3年=さいたまシティノースFC)、182cmのDF松坂碧生(3年=浦和ジュニア)、180cmのDF岩崎篤斗(3年=浦和ジュニア)、180cmのDF高橋奏太(3年=浦和ジュニア)の大型選手を並べ、左サイドハーフにも178cmのDF笠間遼世(3年=浦和ジュニア)を起用していたが、配置を変更。1人の選手交代とともに瀬戸を右SBに移した上で、笠間を左SBに下げ、高橋を右サイドハーフに上げたことで次第に押し込めるようになっていった。

 こうした柔軟な配置変更ができるのも、選手の個性と向き合い、活かし方を考え続けてきたからであろう。そもそも中学年代では珍しい大型選手を積極的に起用するのも、彼らの個性や将来性、さらにはクラブの未来も考えてのことだった。

「彼らは技術的にはあまり高くないですが、そこに目はやらない。あの子たちのいいところにとにかく目を向けてやっていたので、たくさん失敗しようとも大丈夫と常に言っていましたね。そして選手たちもそれに対して責めるとかもないし、『こいつの良さはこれだ』というのをみんながわかっていて、みんながストレスを感じるとかもない。みんながどんなポジションでも、どんなシステムでも、誰が入ってもやれるんじゃないかなと思います」(金生谷監督)

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