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四半世紀前の国立決勝を戦ったキャプテンが母校を率いて聖地に帰還。帝京・藤倉寛監督が実感した「勝負強さ」という名の伝統

ゲキサカ / 2024年12月28日 20時53分

母校の監督として四半世紀ぶりに国立競技場へと帰還した帝京高・藤倉寛監督

[12.28 選手権開幕戦 帝京高 2-1 京都橘高 国立]

 自分が試合に勝たせたとか、自分が全国に連れてきたとか、そういうことを言う人ではまったくない。いつだって謙虚に、目立たず、選手たちのことを、チームのことを、一番に考えている。

「もちろんいろいろな想いもありますけど、やっぱり自分が積み上げてきたものではなくて、日比先生(日比威・前監督/現・順天堂大監督)が積み上げてきたもので、ここまで連れてきてもらった感じが強いので、そういった意味では今までご苦労された先生方がいっぱいいて、今日のベンチに座らせてもらったんだなという感じですよね」

 自身もキャプテンとして選手権決勝の舞台に立っている、就任1年目の帝京高(東京B)の指揮官。藤倉寛監督が貫いてきたスタンスは、母校を率いる立場として四半世紀ぶりに帰ってきた国立競技場でも、何一つ変わらなかった。


「1試合を通して言えば、凄くハラハラするようなゲームだったなという感想ですけれども、いろいろな人たちの想いを背負って今日は来ていますので、何年ぶりに全国に出たとか、伝統のある学校を背負ってきたとか、そういうことをこの試合だけでコメントするのは凄く難しいなという1試合でした」。

 試合後の会見場に現れた帝京の藤倉監督は、勝ったばかりの試合についての感想を問われ、こう言葉を紡ぐ。第103回高校選手権開幕戦。実に15年ぶりに冬の全国へ帰ってきたカナリア軍団は、京都橘高(京都)を2-1で振り切って、2回戦へと駒を進めていた。

 ゲームは開始直後の前半5分に、CKからDFラビーニ未蘭(3年)がヘディングを叩き込み、帝京が先制。以降はやや硬さも見られる中で、攻め込まれるシーンも作られながら、GK大橋藍(3年)やDF畑中叶空(3年)を中心に、相手の攻撃を丁寧に凌いでいく。

 テクニカルエリアの指揮官は、自分が意外と冷静なことに気付いたという。「たとえばもっと緊張したりとか、もっと負けたらどうしようという感情も持つかなと思ったんですけど、先制点が早かったこともあってか、終始そういう感じにはならなかったですね」。

 もともと選手権予選を前に、選手たちが必要以上にプレッシャーを感じさせないような言葉がけを施していた。「予選の初戦の試合前のミーティングで、藤倉先生からは『帝京の伝統もいろいろ感じると思うし、15年近く全国に出られていないというのはあるけど、勝つことや全国に出ることを“義務”だと思わず、自分たちが勝ちたいという“欲望”だけを試合にぶつければいい』と言われました」と明かすのはキャプテンの砂押大翔(3年)。このメッセージを胸に選手たちは目の前の試合に注力して戦い、全国切符を手繰り寄せていた。

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