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ドラッグストア最大手「ウエルシア」社長が不倫報道で辞任…松本忠久氏の叩き上げ人生と経営手腕

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月18日 11時12分

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不倫でアウト(ウエルシアの松本忠久社長)/(C)共同通信社

 ドラッグストア最大手の「ウエルシアホールディングス」の松本忠久社長(65)が「不倫」の責任を取って、17日辞任した。同社が「私生活で不適正な行為があり、会社の信用を傷つける」と判断し、16日に本人に辞任を勧告した。松本氏は親会社「イオン」の執行役も務めていたが、17日付で解任された。

■30代女性と「ケーキあーん」デート

 松本氏の不倫を報じたきょう発売の「週刊新潮」によると、お相手は親子ほど年の離れた30代の中国人女性だという。松本氏がシンガポールに赴任していた7年ほど前から不貞の関係にあり、その後、女性は日本に移住。2人は現在も付き合いはじめのカップルのように「いちご狩り」ドライブや「ケーキあーん」デートをするなど逢瀬を重ね、お互いの家を行き来しているという。

 ウエルシアは2022年2月期決算でドラッグストアチェーンとして、初の売上高1兆円を達成。ドラッグストア業界はここ数年、合従連衡を繰り返しながら、規模を拡大してきた。そんな中、ウエルシアを2年連続売上高1兆円企業に育て上げたのが松本氏だった。

「創業以来、既存店売り上げの前年比を追いかけてきた」というのが松本氏の口癖。既存店の売り上げが続けば、会社がマイナス成長になることはない。これに新規出店でさらに伸びる、ということらしい。

 この通り、既存店の売り上げを伸ばし続けながら、「コクミン(165店舗)」など同業者を次々、傘下に収めていった。そんな松本氏もまた「時代の波」に乗り、19年3月に社長に就任。トントン拍子に経営トップの座まで上り詰めた。

一大決心で「いいの」へ転職、それを機にトップの座に

 松本氏は長野県佐久市出身で、実家は薬局を経営。高卒後、北陸大薬学部に進学し、家業を継ぐため、薬剤師の資格を取得した。

 大卒後、修業をかねてドラッグストアチェーン「サンドラッグ」に入社。そんな松本氏に転機が訪れたのは社会人8年目。新興ドラッグストア「いいの」に転職したのだ。

 松本氏は昨年3月、「日経産業新聞」で、「いいの」への入社が「自分でした唯一で最後のキャリアの決断」だったと話している。ウエルシアの前身は16年ほど前、売上高400億円程度の「ウエルシア関東」(埼玉)という中堅ローカルチェーンに過ぎなかった。そんなウエルシア関東が06年、最初に買収したのが、松本氏が所属する「いいの」だった。

「ウエルシアは『いいの』を皮切りに、これまで20社以上の同業者を吸収合併、買収してきた。コクミンを手に入れたことで郊外店だけでなく、都市部にも店舗を構えることができた。ウエルシアがM&Aによる規模拡大と同様、力を入れているのがPB開発です。イオンの低価格PB商品『トップバリュ』に加え、オリジナルのPB食品や日用品を開発し、売上高1兆円に貢献。これをステップにしてアジア市場で3兆円の売り上げをもくろんでいる。業界2位で、イオンが出資するツルハホールディングスとの経営統合の協議を進めているのも、アジアナンバーワンを狙っているからです」(業界関係者)

 松本氏は週刊新潮の取材に対し、「今は欲望がなくなって。泊まることは泊まりますが、何もないんです。誰も信じてくれないと思いますが」と言い訳していたが、それでも「アウト」だ。

 一大決心で転職したのをきっかけに、トップの座を射止めた叩き上げ社長が、思わぬ形で足をすくわれることになった。

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