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外回りは午前3件・午後3件がマスト 元社員が語る学生就職人気の「キーエンス」の人材育成力とは

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月21日 9時26分

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キーエンスのブース(C)提供写真

 高収益・高給で知られ、就職活動中の学生にとって注目企業としても知られるキーエンス。その人気の秘密を同社で営業マンを務め、現在では大学受験専門のオンライン塾の経営兼講師を務める名川祐人氏が解説する。キーエンスの強みは「人材育成力」にあるという。新入社員を”即戦力化”する人材育成法を語った。

  ◇  ◇  ◇

 私はキーエンスに6年いましたが、最初の2~3年で恐らく他社のベテラン営業マンと渡り合えるぐらいの営業力は身に付いていたと感じます。それは決して自分がすごいのではなく、圧倒的なスピードで育成をしてもらったからです。

 最近キーエンス出身の方々の書籍などが発売され、会社組織の秀逸な仕組みや生産性の高さは世の中の知るところとなりましたが、それらを支える営業マンの育成風土が非常に優れている点にも言及したいところです。現在の私の仕事である大学受験指導にもかなり応用できるものがあります。

 キーエンスでは1年目から自分1人だけの営業担当エリアが与えられます。そのエリアから売上を生むことができるかどうかは自分にかかっており、チームの目標達成に貢献できるかどうかのプレッシャーはありますが、早期から当事者意識を強く持つことができる環境があります。

 ただ、そこで新入社員にすべて任せて放置することはありません。例えば外回りに行く前日の夜には、上司に営業プランを提出します。客先をどのようなスケジュールで訪問するのか、そしてそこでどのような提案をする予定なのか、細かく報告します。

 それに紐づき、実際の営業シーンを想定して、上司に顧客の役をやってもらいロープレを実施します。私のチームは先輩社員が6人いましたが、その方々が交代で面倒を見てくれるのです。外回りは大体週3回ほどでしたので、1日おきに上司にロープレ指導をしてもらっていたことになります。

 訪問予定の顧客の業種・職種・役職に合わせたトーク、商品提案なのか情報取得なのかという目的に合わせたトーク、商品のPR手法や工夫など、実際の客先を想定した営業ロープレを高頻度で実施してもらうことで、どんどん自分の中に知識と経験が積みあがっていきます。

 外回りから帰ってきてからも、結果報告の1on1も実施してもらえるので、うまくいかなかったことの原因分析や、他にどのような選択肢があり得たのかなど、本当に様々なことを教えてもらいました。年次が上がるにつれて頻度は減っていきますが、それでも学び合いの風土が常にあったように感じます。

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