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フィギュア宇野昌磨 電撃引退の裏に新星マリニンとの実力差…また稼ぎ頭失った連盟は先行き不安

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月11日 10時0分

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宇野昌磨(C)日刊ゲンダイ

 フィギュアスケート男子の2018年平昌五輪銀メダリストで、世界選手権を連覇した宇野昌磨(26)が9日、自身のSNSで現役引退を表明した。

「5歳の時にスケートと出会い、21年間続けることができ、素晴らしい競技生活を送れたことにとても感謝している」などとつづり、14日に記者会見を開くという。

 五輪、世界選手権、GPファイナル合わせて13個のメダルを獲得。16年には史上初の4回転フリップを成功させたが、皮肉にも自身が口火を切ったジャンプの高難度化がスケーター寿命の短縮につながった。

 銅メダルに終わった22年北京五輪以降、宇野が度重なる故障に苦しむ間、イリア・マリニン(19=米国)が台頭した。「4回転半の神」を自任するマリニンは22-23年シーズンに史上初めてクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に成功。今では全6種類の4回転ジャンプを駆使し、今季は前人未到の5回転の実施を視野に入れている。

 宇野をジュニア時代から取材するスポーツライターがこう言った。

「宇野は、技術・精度の高いマリニンがシニアデビュー(22-23年シーズン)して以来、故障で満足な演技を披露できないこともあり、マリニンとの実力差を思い知らされたのです。4位に終わった今年3月の世界選手権後、マリニンとの再戦について聞かれると、『無理ですよ。僕はもう最善を尽くしました』と話し、引退をほのめかしたこともあった。若手の突き上げを食らってリンクを去る決断をしたのでしょう」

 宇野の引退に頭を抱えているのが日本スケート連盟だろう。宇野は浅田真央、羽生結弦が競技を退いてから、坂本花織とともに日本のフィギュアスケート界を牽引。所属するトヨタ自動車をはじめ、健康器具メーカーやスポーツ用品など、複数の企業とスポンサー契約を交わすなど、ビジネスでも連盟を支えてきた。

 連盟は「賞金等の取り扱い規定」により、選手のスポンサー収入、専属契約料などの10%を肖像権使用の承認料として受け取っている。

 羽生ほどではないにしろ、宇野が競技を離れることによる損失は決して少なくない。

 連盟の収入は先細りしており、昨年9月に公開した「令和4年度事業報告並びに決算書類」(22年7月1日~23年6月30日)によれば、22年の全日本選手権の収入は約1億9000万円。羽生が出場した21年大会の約7億6000万円から5億円以上も減収し、23年度の収支は1400万円減だった。

 稼ぎ頭である宇野の引退は全日本選手権だけで2億円ともいわれる放映権料の値崩れにもつながりかねない。連盟の収入同様、羽生引退後は視聴率の低迷が続いている。全日本選手権では、羽生の滑走時に15%前後を記録していたが、宇野が6度目の優勝を果たした昨年の男子フリーは6.7%にとどまった。

 ただでさえ低調な上、男子の顔だった宇野が引退するとなると、ますます視聴者離れが加速しかねない。

 真央、羽生に続いて今度は宇野ロスがスケート界を直撃しそうだ。

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