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2025年は「日経平均3000円」と予測…森永卓郎氏に日本経済と株価の行方を聞いた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月13日 9時26分

2025年は「日経平均3000円」と予測…森永卓郎氏に日本経済と株価の行方を聞いた

森永卓郎氏(C)日刊ゲンダイ

 2024年2月22日、東京株式市場は日経平均株価がバブル期の1989年12月につけた史上最高値(3万3957円)を34年2カ月ぶりに更新しました。7月11日には終値で4万2224円まで上昇し、最高値に。一方で、8月5日には1日の下落幅が過去最大の4451円となるなど、株価は異例の状態が続きました。今回は、「25年には日経平均が3000円となる」と予測した経済アナリストの森永卓郎氏に改めて、今年の日本経済と株価の行方を聞いた。(聞き手=児玉一希/投資家)

  ◇  ◇  ◇

 ――昨年は円安・株高でしたが、改めてその要因とは何だったのでしょうか。

 今の状況は「人類史上最大のバブルが世界を覆っている」と見ています。株式市場はほとんどが投機的で、経済実態と関係なく株価が動くのは日常茶飯事です。ただ今回のバブルは前例がない規模で、”経済が非常に順調であると見せかけている”というのが24年の特徴だと思います。

 ――実体経済と株価が乖離している事例について教えてください。

 こ10年で最初に起きたのはドットコムバブルです。AmazonやGoogle、Microsoft、AppleなどのIT企業の株が高騰しました。次に「EVバブル」が始まりましたが、EVは充電の不便さや高価格、環境への悪影響が明らかになり、メルセデスはEV化を撤回、日産も経営危機に陥りました。

 さらには自動運転にテーマが移り、「AIが必要」という流れでAIバブルに。これも高値がつきすぎた。続いて「AIを動かす半導体」が注目され、米半導体メーカーNVIDIA(エヌビディア)が牽引していますが、NVIDIA一社で日本のGDPに匹敵する時価総額なんてあり得ません。この半導体市場は価格競争が激しいので、NVIDIAも数年で命運が尽きるでしょうね。

 現在は、宇宙開発バブルという妄想まで広がっています。「月に水や農産物を作る」というものですが、そんなことをしなくても、都心から2時間離れた土地なら100万円台できれいな水と空気と畑が手に入りますからね。

 経済学者ケインズは、株価を「美人投票」に例えていました。本当に美人かどうかは関係なく、みんなが美人だと思う人に票が集まり、それが株価だと説明しました。しかし、実態とかけ離れた評価が続くと、矛盾が膨らみ、一気に崩壊することになります。

 これまで人類が経験した大きなバブルは約70回ありますが、今回のバブルは史上最悪。24年の株高は史上最大のインチキによるものであり、何の裏付けもない砂上の楼閣です。

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