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日本がインド経済の成長を後押しーHSBC投信

Global News Asia / 2015年12月22日 21時4分

インドのイメージ

 2015年12月22日、HSBC投信は、インドの現状レポートを発表した。主なトピックスとしては、安倍首相が12月11~13日にインドを訪問し、モディ首相と会談を行ない、両国は高速鉄道計画、防衛分野での連携強化、原子力の平和利用に向けた協力等で合意した。

 両国首脳は、金融の中心地ムンバイとグジャラート州の州都アーメダバードを結ぶ高速鉄道計画に日本の新幹線方式を導入することで合意した。日本政府は、総事業費約1兆8,000億円のうち、最大で1兆4,600億円の円借款(償還期間50年、利子年0.1%)を供与する。

 両国は2010年から交渉を続けてきた原子力協定でも原則合意した。この原子力協定は、日本からインドへの原発輸出を可能にするものである。インドは核拡散防止条約(NPT)に加盟していないが、日本の原発技術の平和利用を約束し、また日本はインドが核実験を行った場合、原子力協定に基づく協力を停止する方針である。

 モディ首相と安倍首相の信頼関係が強まり、両国間の関係が深化する中、今後、日本企業にはインドにおけるビジネスチャンスが一段と広がるとともに、日本はインドの経済成長を後押しできるものと見られる。

 物品・サービス税の導入は遅れる見通しで、2016年4月のGST導入は困難な状況だ。インドでは、物品・サービス税(GST)法案の行方が注目を集めている。GSTは、連邦政府と州政府の各種間接税を統合するものであり、インド・パキスタン分離独立以来、70年近くで最も大胆な税制改革と言える。

 インドの冬季国会は12月第4週に閉会するが、GST導入のための憲法改正法案(GST法案)が今国会で可決される可能性は低くなっている。導入に反対する野党により度々審議が中断されている。

 また、GST法案可決後も複数のハードルを乗り越える必要があり、モディ政権が目標とする2016年4月からのGST導入は困難となっている。国会が憲法改正法案を可決したとしても、なお全29州のうち15州以上の州議会の承認が必要となる。

 行政権の行使で改革を推進、インド政府は引き続き行政権を行使し改革を前進させている。その一例として、モディ政権は、15業種における外国直接投資(FDI)に関する規制緩和を11月に発表している。

【編集 : 高橋大地】

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