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【カンボジア】推進工法での水道管施設工事ーJICA

Global News Asia / 2017年7月7日 9時0分

推進工法で地下15メートルの深さに掘り下げれた穴

 2017年6月21日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアだよりNo70」に『初の「推進工法」でカンポットに水道管を敷設工事による影響を最小限に』と題する記事が掲載された。 

(記事)日本の援助で進むカンポットの上水道拡張事業で、カンボジア国内では初めての「推進工法」による施工が行われています。

 水道管の敷設に用いられているもので、5月19日には現地の見学会も行われ、工業・手工芸省のプラシット上級大臣ら全国の水道事業体から約150人が訪れました。

 推進工法とは、地表を掘り起こさずに、水道管などを地中に埋める工事方法のことです。地表から垂直に2点の穴をあけ、掘削する機械を下ろして地中で掘り進めていく方法です。この工事方法を使うことで、たとえば建物や道路の下、河川の下などでも、地表を掘り起こさず施工できるため、住民の日常生活や経済活動に大きな影響を与えずに管を通すことができます。

 今回のカンポットの工事では、約300メートルの配水管を河川の下に埋める作業が行われました。地上から15メートルの深さに推進機械を下ろす穴をあけ、技術者の操作で横穴を掘り進めます。これまでは、川を超えて水を運ぶために、地上に「水管橋」を作っていましたが、推進工法により地中埋設をした方が、 水管橋を作るよりも、工事費用も工事期間も大幅な縮小が可能となります。 推進工法は、将来的には普及が進んでいない プノンペンでの、下水道管の工事等でも採用可能な工法だと考えられます。

 カンポットの上水道拡張事業は、2016年に着工しました。カンポットには、1950年代に上水道施設が整備されましたが、内戦で破壊されました。また、海沿いであることから地下水の一部は飲料用に適さないこともあり、上水道の普及拡張が急務となっています。この上水道拡張事業では、2018月8月までの 間に、取水施設、浄水施設や約88キロに及ぶ配水管網の整備などを実施します。完成すれば、水道の普及率が現在の47%から92%にまで上がる予定です。
【編集 : AY】

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