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【ミャンマー】ロイター2記者に二審も禁錮7年 「罠」との証言は無視、すでに拘束1年超

Global News Asia / 2019年1月11日 18時15分

判決言い渡し後、記者らに囲まれる被告弁護人(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2019年1月11日、ミャンマーのラカイン州情勢を取材していたロイター通信の記者2人が国家機密法違反で逮捕された事件の二審の判決公判が、ヤンゴン高等裁判所で開かれた。同高裁は弁護側の控訴を棄却し、一審の禁錮7年の有罪判決を支持した。弁護側は「判決にとても失望した。ミャンマーのメディアにとって大きなマイナスだ」として、最高裁への上告を検討する。2記者の拘束はすでに1年以上にも及んでおり、家族らは大統領による恩赦を求めているが認められていない。

 弁護側によると同事件では、ロイター通信のワロン、チョーソーウー両記者が2017年12月、警察官と食事をした際に機密書類を渡され、その直後に逮捕された。一審の予備審問で、事件に関係した警察官が「事件は罠だった。上司から『書類を渡して逮捕しろ』と命じられた」と証言したことから、当局の恣意的な逮捕という見方が強まっていた。

 高裁判決では、2記者が少数民族武装勢力の幹部の電話番号を知っていたことを理由に、機密が武装勢力に漏れる可能性があったとして、国家機密法違反に当たると認定。「罠」とする証言には触れなかった。

 この日の公判には、各国の外交団も傍聴した。欧州連合(EU)のシュミット駐ミャンマー大使は傍聴後に「ミャンマーの司法の独立に強い疑問を抱かせるものだ」と批判した。国際社会が報道の自由を害するものとして事件を強く批判しているのに対し、アウンサンスーチー国家顧問らは「適正な法手続きにのっとっている」と反論している。事件はロヒンギャ問題と並んで、国際社会がミャンマーの民主化に疑問を抱く一因となっている。
【取材/執筆 : 北角裕樹】

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