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投資家はインド総選挙の行方に注目ーHSBC投信レポート

Global News Asia / 2019年4月5日 9時15分

インドのイメージ

 2019年4月4日、HSBC投信は、インド経済レポートを伝えた。

(レポート)推定9億人が選挙権を持つ世界最大の民主主義国家であるインドの総選挙が、4月11日から5月19日にかけて行われる。開票結果は5月23日に発表され、下院議員および次の5年間の政権を担う首相が決まる。

 インドの国政選挙は毎回、投票開始の数ヶ月前から国内最大のニュースとして取り扱われてきたが、今回は国民の関心の高さが際立っている。前回の2014年総選挙では、ナレンドラ・モディ現首相率いるインド人民党(BJP)が下院543議席の52%に当たる282議席を単独で獲得した。与党が単独過半数を制したのは30年ぶりであった。歴史的な単独過半数に支えられたモディ政権の発足で、大胆な改革の推進と当初の5年の在任中はもとよりその後の国内政治安定への国民の期待は一気に高まった。そして現政権はこれにある程度応えてきた。

 経済面では、モディ政権は、物品・サービス税(GST:Goods and Service Tax)や破産倒産法(IBC:Insolvency and Bankruptcy Code)の導入、不動産規制局(RERA=Real Estate Regulatory Authority)の設置、2016年には予告なしの高額紙幣廃止など大胆な政策を打ち出してきた。いずれも非公式経済の公式経済への移行を目指すものだが、短期的には大きな混乱をもたらし、経済成長の鈍化を招いた。しかし、当社は、これらの構造改革が今後数年を通してインド経済にプラス効果をもたらすと予想している。

 過去5年の景気回復は、投資の伸びに勢いがなかったことから、まだら模様であった。その背景には、企業部門の不良債権と過剰設備の問題、GST導入と高額紙幣廃止による成長鈍化、過去最高の農業生産にもかかわらず低迷が続く地方景気がある。モディ政権への期待が高かったこともあり、こうした経済実態に直面して、BJP支持層の一部からは「期待外れ」の声が聞かれ始めた。実際、2018年12月の一連の州議会選挙ではBJPは主要な州で勢力を失い、有権者の不満が表面化した格好となった。

 モディ政権を取り巻く情勢変化によって、政治の長期安定への希望にも黄信号が灯り、今回の総選挙の結果、盤石とは言えない連立政権が生まれる可能性を危惧する声が高まっている。

潮目の変化

2 018年12月の州議会選挙はBJPを失望させる結果に終わったが、最近数ヶ月で世論の風向きが変わってきた。特にモディ政権が2019年2月にカシミールで起きたインド治安部隊への自爆テロに対して「断固たる行動」を取ると発表してから潮目の変化が顕著になった。

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