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インドの短期経済見通しに懸念<HSBC投信レポート>

Global News Asia / 2019年12月13日 6時0分

図表1

 2019年12月12日、HSBC投信は、インドの短期経済見通しに懸念との経済レポートを発信した。

(レポート)インドの2019年7-9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、インド準備銀行(中央銀行)による連続的利下げや政府の景気対策にもかかわらず、前年同期比+4.5%にとどまり、2013年以来の低成長となった。減速の主因は製造業の生産ペースの鈍化で、固定資産投資の落ち込みがそれに拍車をかけた。同四半期に見られた政府支出の大幅な伸びは、これらに相殺される結果となった。

 経済成長の減速は概ね予想されていたが、それが統計によって確認されたことで、投資家の間では、景気減速に歯止めをかけるための利下げ効果を疑問視する声が高まった。同時に、より波及効果の大きい金融政策と、より規模の大きい財政刺激策を求める声が強まっている。

 また、景気が鈍化しているにもかかわらず、中央銀行は投資家の期待を裏切った。12月5日の金融政策委員会(MPC)で、中央銀行は、総合インフレ率が目標中央値を上回ったことを指摘して、政策金利を据え置き、市場が期待していた6会合連続となる利下げを見送った。ただし、同委員会は、2019年度(2019年4月-2020年3月)の実質経済成長率見通しを6.1%から5.0%へ下方修正するとともに、景気回復に必要とされる限り金融緩和策を維持することを明らかにした。

 緩やかな回復に期待も
経済指標は10-12月期も引き続き強弱が交錯した状態にある。主要産業部門の低調な状況、石油および金を除く輸入の落ち込み、物品サービス税(GST)の税収の伸び悩みは、景気減速が鮮明になってきたことを示している。しかし一方で、輸出と自動車販売が底を打った兆候も見られる。但し、景気の先行きを占ううえで注目される信用残高の伸びは、10月に緩やかに上向いた後、上昇の勢いが後退し、回復の明確な兆しはいまだ見えてこない。

 今後については、2019年度(2019年4月-2020年3月)後半および2020年度(2020年4月-2021年3月)には景気は緩やかな循環的回復を見せるとHSBC投信では予測している。その根拠としては、利下げ効果波及の促進策、ノンバンク金融事業会社(NBFC)向けの流動性供給強化策、NBFCの流動性不足によるシステミック・リスクの抑制を含む金融緩和策、さらに法人税率の引き下げ、政府による不動産部門支援策、公共投資の拡大などの財政面からのてこ入れなども挙げられる。

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