【タイ】代理出産問題、足止めされていた豪州人同性カップルが子どもを連れて出国
Global News Asia / 2014年8月20日 13時38分
2014年8月19日、バンコクで代理母問題に巻き込まれる形で空港で足止めをされていたオーストラリア人同性カップルが代理母によって生まれた子どもを連れて出国し、オーストラリアに帰国した。カップルはメディアのインタビューに答える形でその心境を語った。
この同性カップルは、他にも資金的な事情などから混乱しているオーストラリア人カップルが多数いることを訴え、事態の早急な沈静化のためにインタビューに応じたという。
「今の状態はかなりヒステリックになりすぎている。タイ政府はもっと冷静になって事態の収拾を図るべきだ」
メルボルンの同性カップル、スティーブとジェームスはそう語り始めた。
「私たちは、何をするべきか、何度も検討を重ねたし、解決の努力を惜しまなかった。それは、自分たちが何も法的に違反するところがなく、人道的にも恥じるところもなかったからだ。世間は、こんな自分たちのような人間の窮状を楽しんでいるかのように見える。そこには、私たち自身の人権も子どもたちの人権も考慮されていない」
現在業務停止命令を受けて閉鎖されている医院には未だに多くのカップルの子どもが妊娠中の代理母も含めて多数いるという。このために多くのカップルが代理母との連絡ができない状態にある。この件が原因で、妊婦に同様を与え精神的なストレスが増大すれば、生まれて来る子どもにも影響が及ぶだろう、とカップルは懸念している。
また、現在でもオーストラリアでは、親になりたいと望むカップルたちは、通常でも子どもの出産と代理母の補償のためには、3か月から半年以上も滞在しなけれはならない。しかし、この問題のために数か月分にも及ぶ費用が増え、それはそのまま彼らの負債になっているという。
タイ政府には、早急に事態を収拾して子どもたちが一日も早く、両親の元へ届けられるようにして欲しいと語った後、彼らは、「今後整備される法律は、そうした真に子どもを欲する人々への希望を奪うものではあってはならない」とインタビューを締めくくった。
代理母問題では、日本人男性が多くの子どもをもうけたことが現在も話題の中心になっている。しかし、その影で真剣に子どもを欲し、時間と費用をかけて来ている人々が混乱状態の中にいる。この問題はタイだけに留まらず、世界全体に提起された問題であると認識することが必要だろう。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】
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