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【コラム】家族たるオウムか、他人の母親か・韓国

Global News Asia / 2024年3月31日 17時0分

 韓国で起こった話で、これほど悩んだことはない。

 親友のお母さんが亡くなった。私も近々身内を亡くし、親友が寄り添ってくれたので喪主として葬式までなんとか乗り越えたから生々しい。こんな時、身内っていうのは、いつでも機関銃を打ってくる敵だから、親友のほどよいツッコミが力になる。

 明日はお母さんのお葬式。親友から「6年も家族だったオウムが、帰宅したら洗濯機の中で死んでいました。今朝キスして出たのに。ショックのあまり明日行けないと思います。あなたはしっかりお母さんを送ってあげて」。

 これに、韓国のSNS民は、「オウムが人間より上なのか!」「利己主義の親友とは縁を切った方がいいですね」と怒り狂った。

 うちのシバ犬は、16年と2週間家族で、かれこれ24年前に亡くなったが、オウムは飼ったことがないので、これを比較例にさせてもらう。私も無理だと思う、心は。うちの自治体はやっと動物専用の焼却場ができたが、人間と違って死後24時間以内でも焼けるのでやることやったら。でも時間的に無理ならそれなりの棺に冷蔵庫中の氷をつめて、親友のところに行く。きっと犬の死は伏せて、遅れてごめんねと言って。ただ、そこからの涙は、親友のお母さんのためでなく、犬のために泣いていることだろう。

 そこは、やはり、別なところで毎晩寝ている親友と、家族として同じものを食った愛犬を天秤にかけちゃうってところだ。

 逆に、親友が遅れてきたら、親が死んで頭がぐちゃぐちゃでも、なんかあったと悟るのが親友というもの。「んだったら、〇〇のところについてやってやれ」と親友を帰すかと思う。

 2023年は、1月15日から、カウントしにくいほど人がたくさん死んだ。さすがに、12月に喪を知らされた時は、涙もでなかった。うちは10月だったので、高齢の親戚には、疲れるから来なくていいとも言った。それほど、死んだ。

 かつて、アイルトン・セナが亡くなった時、喪中はがきをよこした友人がいた。しかし、親の時はさばさばしていた。舅が亡くなった時、「お義父さんは、他人だから」と普通に年賀状よこした友人がいた、逆もまた真理。

 悲しみというのは、人それぞれで、人間とか動物とか、アイドルとかそんなこと関係ないのかもしれない。オウムちゃんのご冥福を祈りたい。
【編集 : fa】

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