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本部の情報だけを頼りにするのは危険!フランチャイズ経営者自らの「学び」の重要性

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月4日 11時15分

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「フランチャイズ経営」の向き不向きはどのようにして見極められるでしょうか。そのコツについて、コンビニ7店舗を経営するフランチャイズオーナーである長瀬環氏は「学びを欠かさないこと」に着目します。長瀬氏の著者『儲かるコンビニのフランチャイズの教科書』(自由国民社)より一部抜粋し、オーナー側がもっておくべき心構えや考え方を解説します。

経営者として「学びを欠かせない」理由

私が加盟するコンビニチェーンは本部からサポートを受けながら経営します。正直、経営相談員からの情報があるだけで、お店を回すことはできます。新聞を読まなくても大丈夫です。世間の流れは本部が捉えて商品開発やシステム開発してくれます。ありがたいことです。

実はそのことによっていくつかの弊害が生じます。1つは世間と感覚のズレが生じることです。加盟店オーナーの中には、朝から晩までお店にいる方も少なくありません。人手不足や人件費の節約など原因は様々でしょうが、朝起きて朝食を食べたら店に行き、夜遅くまで仕事をするといった働き方をする方です。

家と店との往復をするだけのようにうつりますが、意外と心地よいものなんです。家も店も自分の城。決裁権はあるし、小さな変化はあったとしても、うまくいっていれば安定した日々が続いていくのですから。恥ずかしながら、私自身もそういった生活を送っていた時期がありました。

しかし、家とお店の往復だけになると、世の中の変化に気がつかないこともあります。

例えば労務管理の問題です。今はネットに情報があふれています。従業員は不満に思ったことをスマホで簡単に検索することができます。また、ネット上にそういった労務管理に関する情報はあふれていて、厄介なことに全てが正しい情報ではないし、間違った情報でもありません。

労働法や労務管理などの情報はしっかり勉強しておくべきです。もちろんそれ以前に、従業員との関係を構築しておくべきではありますが。

また、本部は労務知識の指導が後手に回っていることが多い印象を受けます。広報活動、新規出店戦略、売り上げ拡大の施策とたくさんの課題を解決する必要があるためでしょう。

そもそも、本来雇用した従業員に関する労務問題というのは、雇用者である加盟店自身が解決しなければいけない問題です。そのため、本部指導員に尋ねても解決しないこともあります。ですから、経営者は知識を蓄え、ある程度自ら対応できるように勉強する必要があります。

本部の目的は「売り上げを伸ばすこと」

もう1つ、本部からの情報だけに頼ってしまうと問題が発生します。本部が店舗のサポートを行う目的は加盟店の売り上げを上げることです。なのでサポートされる内容は売り上げを上げるためのノウハウが中心になることは仕方がないことです。

私が加盟するコンビニチェーンでは経営相談員になるために実務経験を積みますが、労働環境作りや従業員とのコミュニケーションの取り方などは、ドラッガーを学んだ訳でもカーネギーを学んだ訳でもなく、ほとんどの場合その経営相談員の自己流ですし、実務経験があったと言ってもほんの数年です。経営に関して間違いのないアドバイスができるかと言ったらそうとは言い切れません。

例えば、私の加盟するコンビニチェーンの経営は夫婦で経営することを基本としています。そして、近年複数店経営をされる方が増えてきました。本部は店舗経営のマニュアルを用意していますが、それはあくまでも1店舗を経営する時の作業マニュアルです。複数店経営のマニュアルというものは存在しません。

これには理由があって、複数店同士の物理的な距離や立地などでも経営の仕方というのは変わってくるからです。「絶対的な正解」というものを示すことが難しいため、マニュアルを作ることができないという側面があるのではないかと思います。

私も複数店経営に関して質問したことがありますが、適切なアドバイスをいただくことはできませんでした。

本部に不信感を持って経営することはおすすすめしませんが、信用しすぎることもおすすめできません。ですから、加盟店オーナー自らが経営者としての学びを欠かさない必要があります。

本部は商品開発やシステム開発などを提供するプロです。マニュアルを作ったり事例を多く持っていたとしても、お店を回すのはフランチャイズ本部ではなく加盟店です。加盟店オーナーは店舗運営のプロとして自ら経営を学ぶ必要があります。学びは欠かしてはなりません。

余談ですが、私は本から多くを学びます。私はもともと本を読む習慣はありませんでした。恥ずかしながら本を読む習慣ができたのはほんの10年ほどです。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社)が流行った時です。

「読んでみるか」と読み始めて衝撃を受けました。それまで自ら試行錯誤して積み上げてきた長年の成功の法則がそのまま書いてあったのです。本を読んだら成功の法則が分かりやすく早く入手できると実感しました。

それからというものビジネス書、自己啓発本、小説など自身のビジネスに関係あるものだけでなく関係のなさそうな本まで読むようになり、知識を蓄えています。

長瀬 環

大手コンビニフランチャイズオーナー

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