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なんとフルリモートで最大時給3,500円!独自の有給インターン制度で「新卒」を集めた企業が取り入れた3つのこと

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月14日 11時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

新卒売り手市場でも自社に合う人材を獲得していくために、企業はどのようなアプローチに取り組むべきなのか。独自の取り組みで即戦力レベルの新卒を確保している青山裕一氏(株式会社ガーディアン代表取締役社長)は、「長期有給インターン」が打開策になるといいます。Z世代のニーズを踏まえた戦略・制度から、「選ばれる企業」になるヒントを紹介します。

新卒の内定辞退率は「年々増加」、就活はますます売り手市場に

現在の新卒採用は売り手市場となっています。学生にとって選択肢の多い状況が就活市場の現状なのです。現にリクルート就職みらい研究所の調査によれば、2024年春に卒業する学生たちの内定率は92%(※1)でした。また2023年の内定辞退率は65.8%(※2)となっており、例年増加傾向にあります。

このように企業にとっては厳しい状況となっている就活市場にも「選ばれる企業」になる、打開策があります。それが長期有給インターン制度です。

(※1)リクルート就職みらい研究所「就職プロセス調査(2024年卒)『2023年10月1日時点 内定状況』」(https://shushokumirai.recruit.co.jp/research_article/20231010001/)

(※2)リクルート就職みらい研究所「就職プロセス調査(2023年卒)『2023年3月度(卒業時点)内定状況』」(https://shushokumirai.recruit.co.jp/research_article/20230327001/)

インターンは「無給」「雑用レベルの業務」も珍しくないが…

新卒採用となると、求人サイトでの掲載や、就活イベントでの募集が一般的です。これらは学生にとっても使い勝手の良いものですが、企業にとっては時間とコストがかかるにも関わらず、採用できるかどうか、自社にマッチした学生が得られるかどうか、確証もないまま進めなくてはいけません。

そんな市場の中での打開策として、筆者の会社では、6年前から長期有給インターンを継続実施しています。

他企業のインターンでは、無給であったり、雑用レベルの仕事を任せられたりするケースが少なくありません。

その中で当社では、学生が成長意欲を高められる環境を用意し、継続して働けるように制度を整えました。その結果、当社では、新卒採用の大半が長期有給インターン生から誕生しています。

独自のインターン制度に取り入れた「3つの特徴」

当社が取り入れている長期有給インターン制度の中で、採用した学生数は 60名を超えます。また新卒入社のうち、大半が長期有給インターン生です。こうした新卒確保に向けた長期有給インターン制度への仕組みづくりの特徴は主に3つあります。

【特徴①】時給昇給制

まずは長期有給インターンの時給を昇給制にして、学生が頑張れる環境を作りました。人材投資にコストをかける方針のため、全国一律で東京の最低賃金で働ける制度となっており、能力最大時給が3,500円まで上がる仕組みとなっています。

【特徴②】フルリモートでも勤務可能

2つ目は、どこにいても働ける環境を用意したことです。事業所から遠方に住む学生には、フルリモートでも勤務可能な体制を用意しており、過去のインターン生の中には、およそ3年半の長期有給インターン期間のうち、2年半をフルリモートで勤務していた学生もいます。フルリモートの中でのサポート体制や成長できる仕組み作りに取り組み続けた結果、この学生は新卒入社を果たしました。

【特徴③】選べる「超実践型の業務カリキュラム」

3つ目は、当社の長期有給インターンにおける最大の強み。現在7コースあるカリキュラムと実戦業務内容です。このカリキュラムによって学生は、自身が学びたいスキルを選択して実践スキルを短期間で習得します。

現代は終身雇用が当たり前ではなくなり、その危機感からスキルを身につけたいという傾向にあるZ世代の学生たちは、インターン先の会社を選ぶ基準として、「学生の成長が考慮されているか」というところに焦点を置いています。そのため当社では、インターン制度の中で得られるスキルと学べることを採用ページで明文化し、超実践型の業務内容を公開しています。

新卒獲得にかかる「採用コスト」「教育コスト」をゼロに

企業にとって長期有給インターンは、学生の特性を見ることができるとともに、会社の情報を熟知した学生が、採用コスト0で獲得できる機会となります。また学生時代から実践的な業務に取り組んでもらうため、即戦力レベルの新卒確保が可能となり、教育コストも大きく削減できるという2つのメリットがあるのです。

企業では採用にどれだけのコストをかけているのでしょうか。厚生労働省によると、正社員の平均採用コストは85.1万円(※3)でした。当社では、そのコストを人材投資に回していきたいという思いで、長期有給インターン制度に力を入れて、まずは人材を育てるところから取り組んでいます。長期有給インターン生の採用にあたっては、採用コストを抑えるために自社ホームページやSNSを活用し、ホームページを中心としたWEBを通して行いました。

学生にとっても、実践的な業務を通して知識と経験が身につくため、他社に就職するとなっても、学生生活だけを送ってきた他の就活生よりも一歩も二歩もリードした状態でスタートできます。学生からは「就職の面接でも長期インターンを深掘りされることがある。業務内容が実践的なため、インターンで功績を上げた数字を話すことができて、他の学生との差別化ができている」(長期有給インターン歴1年4ヵ月/大学4年生)という声ももらっています。

逆に、「他にも内定先があったが、自分が成長できて、仕事が楽しいと思えたインターン期間の経験から、他の内定先を蹴って新卒入社を決めた」(長期インターン歴1年7ヵ月/大学4年生)というケースもありました。

(※3)厚生労働省『採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 調査結果(令和4年)』(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049528_00012.html)

「学生にメリットのある業務体系」で“就活生に選ばれる企業”へ

『マイナビ 2025年卒大学生広報活動開始前調査』(※4)によると、25年卒のインターンシップ・仕事体験の参加率は85.7%。これはここ数年、インターンシップへの参加率は80%以上という高水準を維持しており、インターンや仕事体験への参加は学生にとって当然のものになっていることがわかります。

文部科学省の調査(※5)では、長期インターンシップに対して、入社後の定着やパフォーマンス、内定辞退率に好影響を及ぼす効果があると分析しています。同調査の『学生に対するアンケート調査結果』によると、インターン先の企業から内定をもらった割合は約42%であり、そのうちの約77%が実際に入社しました。

現在、長期有給インターンを実施する企業の多くは首都圏です。当社に入社した元インターン生からも「地方だとインターンシップの募集が少なかった」という声が聞かれました。地方の学生にもチャンスのある形態で実施すれば、他社に先行して優秀な学生を獲得する機会を増やせるでしょう。リモート勤務を見込んで募集したり、地方企業が長期有給インターンを開催したりなどです。

インターンシップの期間が長期となるほど、キャリアプランや目標の明確化、自分の適正の理解等に価値を感じている学生が多くなっています。長期有給インターンで「選ばれる企業」となるためには、会社都合の業務に取り組ませるのではなく、学生が求めている経験に沿った業務体系を作ることが必要です。

(※4)マイナビ 2025年卒大学生広報活動開始前調査(https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240222_70531/)

(※5)文部科学省『学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会 企業に対するヒアリング調査結果』(https://www.mext.go.jp/content/20201209-mxt_gakushi01-000011520_04.pdf)

青山 裕一

株式会社ガーディアン 代表取締役社長

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