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厚生年金、何歳から受け取ればいいですか?厚生年金受給者「2,800万人」の実態

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月4日 10時15分

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日本の公的年金制度。細かな決まりごとが多く、知っていると知らないでは、大きな差となることも珍しくはありません。今回は「年金の繰上げ受給/繰下げ受給」について、実際に制度を利用している人はどれくらいなのか、みていきましょう。

厚生年金平均受取額「男性で16万7,388円」…繰上げ・繰下げするとどうなる?

会社員や公務員の老後を支える年金。国民年金に加えて、厚生年金が上乗せされて支給されますが、最大の関心ごとは「どれくらいもらえるのか」と「いつからもらうか」の2つ。

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金の老齢年金受給者の平均年金月額は5万6,428円。厚生年金保険(第1号)の老齢給付の受給者の平均年金月額は、併給の老齢基礎年金を含めて老齢年金が14万4,982円で、65歳以上の受給権者の平均年金月額は、男性が16万7,388円、女性が10万9,165円。

平均的な会社員や公務員なら月16万7,388円。これは額面で、年金収入は雑所得で課税対象。さらに保険料なども払うと、手取りは額面の85~90%になり、14.2万~15.0万円になる計算です。これに対して、高齢者ひとりの生活費は、月14万円ほどなので、年金だけでカバーできるかどうか、ボーダーラインといったところでしょうか。

年金は原則65歳から支給。ただ希望すれば60~65歳になるまでに繰り上げて受け取ることができたり、反対に66~75歳まで繰り下げて受け取ることができます。それぞれ「年金の繰上げ受給」「年金の繰下げ受給」いわれる制度で、前者は1ヵ月繰り上げるごとに0.4%、年金が減額、後者は1ヵ月繰り下げるごとに0.7%、年金が増額になります。

65歳から受け取る年金が月16.7万円だったとしたら、これらの制度を利用することで受取額はどうなるのでしょうか。

【繰上げ受給の場合】

1年繰り上げて64歳から受け取る…4.8%減の15万8,984円

2年繰り上げて63歳から受け取る…9.6%減の15万0,968円

3年繰り上げて62歳から受け取る…14.4%減の14万2,952円

4年繰り上げて61歳から受け取る…19.2%減の13万4,936円

5年繰り上げて60歳から受け取る…24.0%減の12万6,920円

【繰下げ受給の場合】

1年繰り下げて66歳から受け取る…8.4%増の18万1,028円

2年繰り下げて67歳から受け取る…16.8%増の19万5,056円

3年繰り下げて68歳から受け取る…25.2%増の20万9,084円

4年繰り下げて69歳から受け取る…33.6%増の22万3,112円

5年繰り下げて70歳から受け取る…42.0%増の23万7,140円

6年繰り下げて71歳から受け取る…50.4%増の25万1,168円

7年繰り下げて72歳から受け取る…58.8%増の26万5,196円

8年繰り下げて73歳から受け取る…67.2%増の27万9,224円

9年繰り下げて74歳から受け取る…75.6%増の29万3,252円

10年繰り下げて75歳から受け取る…84.0%増の30万7,280円

年金を繰り上げるか、それとも繰り下げるか…実際に活用している人はどれくらい?

年金の繰上げのメリットは、なんといっても年金を早く受け取れること。たとえば60歳定年で現役を引退した場合、65歳の年金支給までは収入がゼロになります。その間に収入が得られるというメリットは大きなものです。

一方で、年金が減額となるほかに、国民年金の任意加入や追納ができなくなることや、障害状態になっても障害基礎年金が請求できない、寡婦年金の受給資格が発生しても受給できないというデメリットもあります。

年金の繰下げのメリットは、なんといっても年金の受取額が増えること。一方で、年金収入が増えることで、社会保険料や税金が増えたり、医療費負担が重くなることも。また加入年金が受け取れない可能性があるなどでメリットもあります。

どちらもメリットもあれば、デメリットもあり、「XX歳から年金を受け取るのがベスト」とは言いにくいもの。参考になるのは、諸先輩方がどうしているか。制度の利用者がどれほどいるか、みていきましょう。

前述の『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金の受給権者2,804万5,102人のうち、年金を繰り上げている人は20万6,757人で、全体の0.7%。一方で、年金を繰下げしている人は37万4,481人で、全体の1.3%。過去4年の推移をみていくと、繰上げ受給は0.3%から0.7%、繰下げ受給は0.7%から1.3%とどちらも増えています。

以前は定年後、すぐに年金生活に突入するというのが大多数でしたが、現在はいろいろ。定年を機に完全に引退する人もいれば、再就職して働き続ける人もいます。働き方も現役時代と同じくらいアグレッシブに働く人もいれば、自分のペースで働く人もいます。なかには起業するケースも。セカンドライフが多様化しているためか、年金の受け取り方は少しずつではありますが多様化しているようです。

年金をいつから受け取り始めるかの議論は活発にされていますが、結局は答えはありません。自身のライフスタイルに応じて、最適なタイミングを検討することが重要です。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』

日本年金機構『年金の繰上げ・繰下げ受給』

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