【NZ不動産の最新事情】オークランド地区、2月の不動産平均価格は100万NZドルを下回る…購入は速やかに、売却は8~9月まで辛抱を
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月8日 10時15分
※画像はイメージです/PIXTA
ニュージーランドは2月のホリデーシーズンが終了し、3月からは通常モードへ。オークランドでは、100万NZドル超が続いていた不動産の平均価格も、ここにきて100万ドルを下回っています。不動産売買のリアルな現場から、最新事情をレポートします。※本記事は、2024年3月3日現在の情報に基づいて執筆されています。
「売却はオークションが最適解」と再認識したワケ
ニュージーランドの家の売却方法は、大きく分けて「オークション(競売)」「ネゴシエーション(交渉)」「価格提示」の3通りです。
マーケットが活発だったときは、オークション売りが80~90%を占めていました。しかしここ数年はコロナの影響もあり、銀行住宅ローン金利の高騰によって、無条件で買う人が少なくなり、めっきりオークション売りが落ち込みました。
嘘か本当か、なかには「収入が激減したから、車もグレードダウンせざるをえなくなった…」と嘆くオークショナーもいます。
今年に入ってからは銀行住宅ローン金利も下がりはじめ、マーケット状況も回復傾向にあり、よい兆しは見えてきてはいるものの、2月末まではまだホリデーモード。3月に入って通常モードに戻るこれからが本番です。
そんななか、2月後半、1件のオークションに出席してきました。
物件は、商業用物件と居住が重なり、ホームインカムタイプともいえるもので、投資家、大家族向けです。ロケーションもよく、担当セールスマンのコメントによると「100万ドル前半の価格帯」とのこと。
即座に「これは安い、お手頃だ!」と思いました。複数の顧客を案内し、バイヤーズエージェントとしての仕事を試みましたが、残念ながら、顧客からは「ロケーションを変える」「ローン融資が下りなかった」…などといわれ、実際にオークション参加とはなりませんでした。
この物件はいくらで売れるのか、当日売れるのか…。結果を知りたい筆者は、担当セールスマンの応援も兼ね、平日夜のオークションにもかかわらず出席し、様子を見守りました。
結果、2組で争いましたが、価格は伸びません。オークショナーもあっさり止めて、別室で買い手との交渉に入りました。説得していた時間は5分程度でしょうか。次に、家主がいる部屋に行って交渉へ。それを何度となく繰り返していました。
「結果まで、まだまだ時間がかかりそう。みんな、先に帰ってくれていいからね…!」
担当セールスマンは苦笑いです。
両者の様子を見ていた筆者は「今日は売れないかも、明日から営業再開かも…」と思い、その場を離れて和食店に行き、夕飯を食べてから帰宅しました。
ところがその後「Congeliturbations!」というメッセージが届いたではありませんか。「あれから30分後、117万5,000NZドルで両者納得しました。いま、みんなでお祝いをしています!」とのことでした。
オークションはライブ競売、ベストプライスのチャンスも多く…
2万ドルの価格譲歩が得られず、その場を去ろうとする買い手。それをすかさず追いかける担当マネージャー。担当セールスマンは引き続き家主を説得し続け、オークショナーは両者間を行ったり来たり…。
私たちが帰るときには、こんな図式が展開されていました。
もし、オークション売りではなかったら、当日の売却成立はできていなかったことでしょう。契約書が何度もやりとりされ、ようやく条件付き契約書が成立…という動きになったはずです。
オークション売りだからこそ、無条件契約でその日にSOLDとなり、売り手も買い手もスムーズに先へと進むことができました。とくに売り手は、確実な資金獲得ができたのです。
オークション売りをするなら、先行投資額も出さないといけません。私たちセールスマンも「売れなかったらどうしよう、買い手候補も現れず、閑古鳥だったらどうしよう…」という不安があります。正直、筆者も、オークション売りにはそこまで積極的ではなかったのですが、先ほどのような実例を目の当たりにすると、やはり「オークション売りがベスト」だと実感しました。
仮に、当日売れなくても、ある程度の価格帯で吟味でき、期日を指定できるチャンスもあります。「価格提示による」「交渉次第」となれば、いつだれがオファーしてくるか見当がつきませんし、仮に来たとしても、その人がベストかどうかわかりません。
もちろん、条件が多かったり、価格が低かったりすれば断ることも可能ですが、断ったはいいものの、その後だれからも連絡が来ない…ということもありえます。それらを予測して吟味・判断することは、とても重要であり、むずかしいのです。
その点、オークションはライブ競売です。家主にとって、1人でも多く買い手が出現すれば、それだけ売れる可能性が高くなり、ベストプライスを出すチャンスも多くなります。筆者も上記の例から、次の担当売り物件は、ぜひともお客様にオークション売りをお勧めしようと思いました。
購入は早めの決断を、売却は8~9月まで待って
オークランド地区の不動産の平均価格は、このところずっと100万NZドル越えでしたが、1月、2月と100万NZドルを切ってしまい、2月は、97万5,000NZドルとなりました。
そのことから、マイホームを購入したい方は、まだチャンスがあるといえます。「もう少し待てばもっと安くなるのでは?」との声もいただいていますが、そろそろ金利が下がり、投資家が動く時期だと考えられます。そのため、気に入った物件が見つかった方には、積極的なオファーをかけていただくほか、それこそオークションへ参加していただきたいと思います。
予算より少々高くても、支払い能力があるなら購入を検討してはいかがでしょうか。マーケットを見る限り、現在の数千~1万NZドル程度の損害であれば、すぐに取り戻せる、損のない不動産取得ができると思われます。
一方、売り手の方は微妙な月です。がまんできる場合は、8月~9月まではマーケットに出すのを控え、次の値上がりピークを待つのも手です。ただし、買い替えの場合は、買う方の予算も考えなければいけませんので、やはり、思い立ったときに家を売り、そして買うということが必要になるでしょう。
一色 良子 Goo Property NZ LTD 代表取締役社長 Harcourts -Shelter Realty Ltd 所属
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【NZ不動産の最新事情】オークランド、賃貸物件の慢性的不足が続く…投資家にはチャンスも
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月12日 10時15分
-
相続した実家を売却する〈ベストなタイミング〉は?…実家を売る前にやっておくべき「2つのこと」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月10日 11時45分
-
Artmarket.com:2023年のArtprice100©指数は1.55%上昇
共同通信PRワイヤー / 2024年4月8日 9時37分
-
世界的インフルエンサー“スーパーカー・ブロンディ”の高級車専門オークションサイト「SBX Cars」
IGNITE / 2024年4月6日 22時30分
-
スーパーカーインフルエンサー「スーパーカー・ブロンディ」による高級車専門グローバルオークションサイト「SBX Cars」4月2日オープン
PR TIMES / 2024年4月3日 18時15分
ランキング
-
1祝日という"官製のみんな一斉休日"が日本人を苦しめる…精神科医警鐘「連休でストレスが増強される」本末転倒
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 8時15分
-
2山梨でブドウなら「1日2時間労働で年収450万円」が可能…私が実践している「農FIRE」のススメ
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 10時15分
-
3なぜホンダ初の量産EV「ホンダe」はたった3年で生産終了になったのか…「欧州ジャーナリストの絶賛」の裏側
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 10時15分
-
4GW初日 大規模な混雑はじまる! 東名・新東名では午前中から夕方まで渋滞【4月27日の渋滞予測】
乗りものニュース / 2024年4月27日 7時12分
-
5NY市場、円安加速158円台 対ユーロも最安値に迫る
共同通信 / 2024年4月27日 17時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください