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タワマンは割高?それでも購入者が後を絶たない納得の理由【マンショントレンド評論家が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月31日 10時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

1976年、埼玉県の与野市で日本初のタワーマンションが建設されてから、もうすぐ半世紀になろうとしています。価格は高値で推移しており、「割高すぎる」と考える人も多いでしょう。しかし、それでも売れ続けるのはなぜなのでしょうか。『60歳からのマンション学』(講談社)の著者でマンショントレンド評論家の日下部理絵氏が解説します。

そもそも「タワマン」とは何か

タワーマンション(タワマン)というと、美しい夜景にスパやゲストルームなどの豪華な共用施設があるというイメージもあるだろう。

そもそもタワマンとは何か。一般的には20階以上、高さ60m以上の住居用の超高層建築物をタワマンと呼んでいる。高さ以外には○○戸以上といった戸数の縛りや、共用施設の中身などが定義されているわけではない。

タワマンというと、希少性も魅力のひとつとされる。しかし、東京カンテイの「タワーマンションのストック数(都道府県)」によると、2021年12月末時点における全国のタワーマンションストック数は、1,427棟で37万5,152戸もあるという。

このうち首都圏だと760棟・23万2,477戸で、棟数・戸数ともに全国の過半数を占める。東京都だけだと458棟・14万6,300戸、棟数ベースで全国のシェア32・1%。次いで大阪府255棟・6万3,951戸、神奈川県139棟・4万2,672戸と続く。ちなみに47都道府県のうちタワマンがあるのは38都道府県にもなる。

日本初のタワマン建設は1976年

そんなタワマンだが、実は日本初の分譲タワマンが建設されてから40年以上経っているのをご存じだろうか。

歴史はさかのぼり、前回の東京オリンピックを目前にした1963年に建築基準法の規制である特定街区が改正され、続く1970年の法改正によって、31mに規制されていた高さ制限が解除。この影響を受けて1970年代よりタワマンの先駆けといわれる高層マンションが建設されることになる。

日本初のタワマンは、1976年に建設された、高さ66m、地上21階建ての「与野ハウス」(埼玉県与野市・住友不動産)。高さが異なる4棟からなり、うち2棟が高層棟、総戸数463戸である。

1970年代から90年代半ばでは、現在より容積率や日照権などの規制が厳しく、超高層マンションを建設するためには広大な敷地が必要だったため、敷地面積を確保しやすい河川の近くや工場の跡地が建設地として選ばれていた。

そして1997年の建築基準法の大改正によって、容積率や日照権などの規制が大幅に緩和。これにより主要駅周辺の人口集積地域にも、タワマンの建設が可能となる。これを受けて1999年には、いまでもタワマンの代名詞ともいわれる東京・月島に54階建ての「センチュリーパークタワー」が完成する。また、都電荒川線早稲田駅から徒歩約2分に「西早稲田シティタワー」も完成、駅近で利便性が高いタワマンも建設された。ここから都市部でのタワマン建設が続いている。

日本のタワマンは、建築基準法の規制緩和の影響を受けて、高さや立地における自由度を広げており、2021年以降も、全国で280棟11万戸弱のタワマンの建設・計画が見込まれている(不動産経済研究所、2021年4月27日プレスリリース)。

タワマン=成功者の証!?「ステータス」という魅力

一般的には、「成功者の証」などとも言われ、憧れられることも多いタワマン。実際に住んだとしてそのメリットはなんだろうか?

まずはステータスがあげられるだろう。タワマンは再開発エリアに建てられることが多く、街並みの変化とともにニュースで取り上げられたり、駅や街に大きな広告が出たり、そのエリアのランドマーク的な存在として注目を集めることもある。誰もが知る「あのマンション」にお住まいというわけだ。

完成後も豪華なエントランスや共用施設、高層階にあるラウンジやゲストルームからの眺望など、タワマンだからこそ得られるステータスがある。

全国的にタワマンが増え過渡期とはいえ、ランドマーク性やステータス感、駅近タワマンは将来の売却時にも大きなアドバンテージになる。

特にいまは新築のタワマンが高値で推移しており、中古でも高値で売ることができる。つまり立地にもよるが、タワマンは資産価値が落ちにくい物件ということになっている。

特に利便性の高い都心部、都心から離れていても駅近など利便性の高い立地、駅直結のタワマンや基幹駅(新幹線や快速が停まるなど)の駅近はおすすめである。多少割高になっても値崩れしにくく売却する時も有利である。

もし購入時の価格から、大きく下がらない価格で売却できれば、住宅ローンも完済しやすく住み替えがスムーズ。何かの理由で一時的に転居が必要になった場合、貸しやすさもメリットとなる。ただし、住宅ローン返済中は原則賃貸できないため、その点は注意したい。

タワマンは最寄り駅をはじめとした大規模な再開発エリアに誕生することも多いので、飲食店やクリニック、買い物できる各種ショップが入ったテナントビルが新設されるなど、入居時から生活環境が整っていることが多いのも魅力のひとつだ。人が集まることでより周辺環境が発展して利便性が高まり、サービス面も充実していく。これもタワマンが割高でも選ばれる理由のひとつとなっている。

日下部 理絵 マンショントレンド評論家 オフィス・日下部 代表

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