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「これから上がる」と含み損の銘柄を抱え込んでいては「負け投資家」一直線…元証券マンが教える「勝ち組ポートフォリオ」の作り方

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月17日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

勝ち投資家と負け投資家のポートフォリオを比較してみると、そこには歴然とした差が見られます。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、両方の差は一体何なのかを紐解くとともに、「勝ち組のポートフォリオ」になるための方法を解説します。

負け投資家のポートフォリオができるまで

負けている投資家には、その保有銘柄のリスト(ポートフォリオ)にも、特徴的な共通点があります。含み益のある銘柄は非常に少なく、あってもその含み益は小さく、ほとんどが含み損を抱えた銘柄で構成されているのです。

これは、投資してきたすべての株が下落したからではありません。含み益になった銘柄は早々に利益確定する一方で、含み損になった銘柄は手放すことなく、ひたすら上がるのを待って塩漬けするのを繰り返しているため、自然とこのようなポートフォリオができあがってしまうのです。

実際、含み損の銘柄をいくつも持っていると、ひとつやふたつは本当に時間が経てば含み損がなくなる銘柄はあるので、投資している本人はそれが損を出さない正しい方法だと信じています。

何十年もかければ確定損はゼロにできるのかもしれませんが、これでは勝ちとはいえません。これが典型的な負け組のポートフォリオです。

証券会社では営業パーソンの異動や離職が頻繁にあるので、同僚が担当していた顧客を引き継ぐことがよくありましたが、多くはこのような含み損だらけの状態になっていました。

営業パーソンが損切りをしたがらない顧客から手数料を稼ごうとすると、利益確定させるしか方法がありません。そのため営業パーソンは早めの利益確定を推奨し続け、それに乗った顧客のポートフォリオは、含み損だらけになるのです。

この含み損だらけのポートフォリオは、証券会社の営業担当者の言う通りに売買しても、基本的にはまったく勝てないことを物語っています。お客様はもちろん、営業も勝ち方がわかっていないのが今の対面証券営業であり、心の底からオワコンだなと感じます。

読者の皆さんも、くれぐれも証券マンや他人のアドバイスで投資判断するのではなく、手数料の安いネット証券で、自分自身で考えて投資判断してください

しかし、その際に頼るのは情報収集とそれに基づく思考・分析であり、決して感情ではありません。損はなるべく確定せず、利益は小さくてもいいから早めに確定したいという感情に従っていれば、損がどんどん拡大し、投資資金がロックされ、機会損失を生むことになります。

含み益になったとしても、早々に利益確定するので微益にしかなりません。結果として、ハイリスク、ローリターンの取引ばかりが生み出され、含み損だらけのポートフォリオが爆誕することになるのです。

「投資の神様」といわれるウォーレン・バフェットも、「他人が貪欲になっているときは恐る恐る。周りが怖がっているときは貪欲に」というような言葉を残しているそうです。これは「欲に負けずに、恐怖に打ち勝て」、要するに本能とは逆の行動をせよという意味です。

市場が悲愴感で売り一色になっているときに買い向かうことや、皆がどんどん上がるぞと盛り上がっているときに冷静に利益確定するのは、言うだけなら簡単ですが、その渦中にいると本当に難しいものです。

恐怖に勝つというのは「自分から進んで崖から飛び降りろ」と言われて、躊躇なく飛び降りるようなものだからです。普通の精神ではそんなことできません。

個人投資家の9割が負けているというのもよくいわれることですが、それは感情のままに行動すれば負けるしくみになっているからだと思っています。

優秀な人材をクビにして、ダメ人材を抱え込んでいないか

あなたがとある企業の営業所の所長だと想像してください。部下にはたくさん売り上げてくれる超優秀な営業パーソンもいれば、いっこうに成績が伸びないダメ人材もいます。

持ち株の中で利益が乗っている銘柄を早々に利益確定するということは、稼ぎ頭の営業パーソンをさっさとクビにしているのと同じことです。そして損切りを遅らせるのは、成績の悪い営業パーソンをいつまでも大切に抱えていることになります。

こうした行動を続けていると、新しい人材を採用しても同じようにスター候補を早めにクビにして、売上が取れない人材を長く抱え込んで教育を続けることになるので、その営業所はいずれダメ人材で埋め尽くされることになります。

こんな運営を続けていれば、あなたの営業所の成績は悪化の一途をたどるのは当然です。自分のポートフォリオが同じような状態になっていないか、振り返ってみてください。

どうしても損切りしたくないときは?

損切りの重要性はわかっているけれど、それでもできない、という人もいます。勝てる投資家になるためには損切りは不可欠ではありますが、損切りできない人が100%負けているかといえば、必ずしもそうとは言い切れません。

証券営業時代のお客様の中に、損切りはしないけれど利食いもしないという完全放置スタイルの投資家が何人かいました。実はそういう人の成績は、トータルではプラスなのです。

こうした投資家は、まず買う根拠が明確でした。この銘柄だったら永遠に持っていられるというぐらいほれ込んで、買っているのです。それでも買うタイミングが悪いと含み損になることはあるのですが、それ以上に利益が出ている銘柄の含み益の額も大きく膨らんでいました。

買う根拠が明確で、なおかつ利益確定を急がずに大きく利を伸ばしていることが、「損切りをしない」というマイナスを補っているのです。

これは積み立て投資の考え方と相通じるものがあります。近年、「老後2,000万円問題」などで注目を集めているiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどの積み立て投資は、たとえ含み損になっても決して中断することなく継続することが重要だといわれています。

定額を買い続ける積み立て投資は、相場が下がったときに多く買うことができるので、含み損が出ているようなときこそ継続することで、相場が回復したときの利益を大きくすることができます。

個別株のように資産を10倍にできるような夢のある投資ではありませんが、長く続ければそれなりの利益は期待できるので、損切りできない人はこれに近い考え方で投資を継続すれば、報われると思います。

どうしても損切りができないという人ほど、慎重に根拠ある投資をして、利益をしっかり育てる姿勢を大切にしてください

勝ち組のポートフォリオの作り方

それでは、勝っている投資家のポートフォリオはどうなっているのでしょうか。基本的には、負け組と正反対の状態です。要するに、ほとんどが含み益の銘柄で構成されています。含み損になっている銘柄もありますが、その含み損の額は小さいのが特徴です。

これは、上がる銘柄を的中させてすべての投資に成功しているから、というわけではありません。勝ち組投資家であっても、含み損を抱えることは日常茶飯事です。

しかし彼らは含み損の額が一定の水準に達したら必ず損切りをするので、大きな含み損を抱えた銘柄がポートフォリオに残っていることがないのです。

僕の場合は、含み損が終値で8%以上に達したら基本的に損切りするので、このルールを守っている限りポートフォリオの中に8%以上の含み損を持つ銘柄が存在することはありません。

損切りをするときに一切の精神的ダメージを受けないと言ったら嘘になりますが、毎日持ち株の状況をチェックする際に、ポートフォリオの中に大きな含み損を抱える銘柄がないというのは非常に気分が良く、精神衛生上とても健全です。

こうしておけば損失の額は8%以下に抑えられるのに対し、利益をできるだけ引っ張るので、トータルではプラスになります

こうした投資行動は本能や感情と逆を行く行動なので、言葉にするほど簡単ではありません。実際、頭ではわかっているけどできない、トライしたけれどできなかった、という人は多いです。

それでも、あきらめないでください。これまでどうしてもできなかったという人でも、あきらめずにトライすることでできるようになります。

僕は株式投資のオンラインサロンを運営していますが、その中にはこれまで損切りができずに損失を拡大させてきたけれど、損切りができるようになってパフォーマンスが大きく改善したという人が何人もいます。

かぶカブキ

元証券マンの個人投資家

※本記事は『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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