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〈高配当株投資の銘柄選び〉成功確率をグッと上げるために絶対見るべき「2つの指標」【2万人を指導した投資研究家が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

できるだけ失敗を避け、伸び続ける企業に投資するには一体どうしたらよいのでしょう。本記事では『高配当10倍株投資 「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』(KADOKAWA)から、著者の〈児玉一希氏〉が、高配当株投資初心者に向けて「投資の成功確率」をグッと上げるためにチェックすべき2つの指標について詳しく解説します。

投資の成功確率をグッと上げる2つの指標とは?

失敗を避け伸び続ける企業に投資するには、2つの視点を重視する必要があります。さっそく見ていきましょう。

(1)利益率・キャッシュフローが改善している

高配当の源泉は利益です。効率よく稼げている企業はその分だけ配当金も続きやすくなります。端的に言うと、「稼げる企業に投資しましょう」ということです。

稼ぎの基準で私が重視しているのが売上高営業利益率と営業キャッシュフローです。売上高営業利益率はその名の通り、売上のうち何%が利益になったかという指標です。一般的には10%以上あれば高いと言われ、20%を超えているとかなり高い利益率になります。

利益率が高ければ、企業がそれだけ付加価値の高い製品サービスを提供している証です。ですので、利益率が高いに越したことはないのですが、最初から高くなくても徐々に改善されつつある企業があれば要注目でしょう。

利益率が改善される背景には企業の製品サービスが評価されるようになったり、コストは変わっていないのに売上自体が大きく伸びていたり、何かしらプラスの変化が起きているはずです。そうすると企業は人員の採用や事業投資にお金を回せるようになりますし、それが巡り巡って増配や自社株買いにもつながってきます。

例えば、海運株の「日本郵船」は、2020年から23年にかけての営業利益率を見ると、2020年2.32%、2021年4.45%、2022年11.79%と急激に改善しています。この間に株価は9倍以上になりました。

また、もう1つ注目したい指標として営業キャッシュフローがあります。キャッシュフローとは、手元に流れる現金のことをいいます。会社の売上・利益の多くが発生主義で記録されます。

発生主義とは、取引が発生した時点で、収益や費用を計上する会計方法です。これは現金が実際に受け渡された時点ではなく、取引が発生した時点で会計記録を行うことになります。つまり、記録上は売上が立っているだけで実際の入金タイミングは別です。

フリーランスの方であれば、「今月の売上が記録上立っていたとしても、入金は翌々月」といったことがあると思います。そのため、帳簿上の取引ではなく、実際に手元に残る現金をキャッシュフローと言います。

キャッシュフローが潤沢で、継続的に積み上がるほど企業の財政は安定します。そして本業で生み出したキャッシュフローのことを、営業キャッシュフローと言います。

営業キャッシュフローが高いと、それだけ本業で現金を稼げているということになります。キャッシュの余裕があるので、危機に強いのはもちろん、一時的に利益が変動しても配当金を出し続けられやすいのです

保険会社や銀行は、顧客から大量の資産を預かっていますので、キャッシュフローが潤沢です。そのため、配当利回りが高く、減配というケースはなかなか見かけません。

営業利益率はあくまで帳簿上のものなので、事業活動の結果、手元に現金=営業キャッシュフローをちゃんと残せているかどうかも確認するようにしてください。

ここで、改めて優良企業を探すのに欠かせないキャッシュフローについて解説していきます。キャッシュフローとは、その名の通りキャッシュ(現金)の流れのことです。一定期間において、どのくらいの現金が流入し、流出したのか、つまり実際のお金の動きを示します。

キャッシュフローは大きく3つに分かれます。

営業キャッシュフロー:こちらは本業の活動によるキャッシュフローの増減を指します。これは基本的にプラスであるべきです。営業キャッシュフローがプラスであることは、本業が順調に運営されていることを示し、逆にマイナスの場合は本業で苦戦し、現金が不足していることを示します

投資キャッシュフロー:こちらは、機械、不動産、車両などの固定資産や、株式や債券などの証券の取得や売却に伴う現金の増減を指します。通常、営業活動を行うためには、設備や固定資産への投資が必要です。

そのため、成長している優良企業は投資キャッシュフローがマイナスになることが多いものです。逆にプラスの場合は、会社が持っている設備や証券を売却した金額が投資に使われた金額を上回っていることを示します

財務キャッシュフロー:こちらは、現金の調達や返済における増減を示します。たとえば、借金を返済した場合、手元の現金が増えるため、財務キャッシュフローはプラスになります。逆に、株主に配当を支払ったり、株式を買い戻したりすると、現金が減少し、財務キャッシュフローはマイナスになります

財務キャッシュフローの増減については、企業の成長ステージによって解釈が異なります。成長企業は通常、投資キャッシュフローがマイナスで、財務キャッシュフローがプラスになる傾向にありますが、その理由についても調べる癖を持ちましょう。

(2)配当性向が低い

配当性向は、企業が稼いだ利益のうち株主に配当として還元される割合を示す指標で、次のような式で計算されます。

配当性向(%)=1株当たり配当金÷1株当たり利益×100

配当性向はできるだけ低い方が望ましいでしょう。配当性向が低い=会社の外に出ていくお金が少ないことを意味しますので、以下のような利点があります。

・企業は配当として現金を会社の外に出さず、収益を自社に再投資して企業価値を向上させることができる。

・会社にお金がしっかり貯まっていれば、危機への備えにもなる。

逆に、配当性向の高い企業は主に以下の特徴が挙げられます。

成熟産業(成長分野が限られている):成熟産業は市場の成長が鈍化しており、新たな成長分野が限られている業界を指します。このような産業では、企業は収益を株主に還元することを重視し配当性向が高くなる傾向があります。

株価維持:株価を維持することを優先し、株主に対して安定した配当を提供することで投資家の信頼を獲得しやすくなります。

株主の立場からすると良く見えるのかもしれませんが、逆に言えば利益を貯め込んでも活用する先がなく、配当金を出すしかないという見方もできます。

私たち個人投資家は限られた資金を有効活用して成長する企業へ投資しなければなりません。それならば、配当金を出すだけではなく他の事業活動にもしっかり資金を使う企業に投資した方が将来のリターンは大きくなります。

そのため、できるだけ配当性向が低い企業の方が望ましいと考えます。成熟企業への投資も悪くありませんが、配当性向はどんなに高くても65%程度に抑えたいところです。

児玉一希

株式会社RES 代表取締役 

※本記事は『高配当10倍株投資 「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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