2017年総決算!読めば分かる最新家電のトレンドとベストアイテム<前編>
&GP / 2018年1月9日 20時0分
2017年総決算!読めば分かる最新家電のトレンドとベストアイテム<前編>
<家電女優・奈津子×安蔵靖志の最新家電レポ【2017年12月前編】>
元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。
今回は2017年総決算ということで、2017年に発表・発売された家電の中からベスト製品をピックアップして紹介します。
■10.5インチiPad ProやAmazon Echoなどが登場
安蔵:デジタル家電では、2017年もかなり魅力的な製品がたくさん出ましたね。私自身が最も気に入ったのはアップルの「iPad Pro 10.5インチモデル」です。Smart KeyboardとApple Pencilなどを含めて15万円近くしてしまいましたが、これなしでは仕事がはかどらないくらいになっています。
奈津子:私は9.7インチのiPadを使って原稿を書いたり勉強したりしています。軽くてとても満足していますよ。Smart Keyboardは結構なお値段ですけど、使いやすいですか?
▲ アップルが2017年6月に発売した「iPad Pro 10.5インチモデル」(直販価格6万9800円~)とSmart Keyboard(同1万7800円)
安蔵:最初はOSの問題で日本語変換がまるでダメだったのですが、iOS 11になって予測変換がまともになり、ものすごいスピードで打てるようになりました。文章を書くだけならノートパソコンがいらないくらいですね。LTE通信機能内蔵のCellularモデルにしたので、ちょっと面倒なテザリングから解放されて快適です。
奈津子:私のiPadは純正キーボードがないので、3E(スリーイー)の「Plier(プリエ)」(実勢価格5270円)というキーボードを購入しました。iPadだけでなくiPhoneなどのスマホでも使えるので、急な原稿の修正や長文のブログを書きたいとき、手元にパソコンもiPadもなくてもスムーズに書き物ができて助かります。
▲奈津子さんが愛用している3EのBluetoothキーボード「Plier(プリエ)」(実勢価格5270円)
安蔵:横に折りたたむタイプは多いですけど、縦に折りたためるのは珍しいですね。
奈津子:そうなんですよ。横のタイプは力を入れすぎると折れちゃうかなと思いましたし、ヨドバシカメラの店員さんには実際にそういう危険性があると言われました。縦にたためる方がしっかりしていますし、力加減を気にせずに思う存分打てるのは気持ちいいです。ボタン1つでiOSのほかWindows、Android機との切り替えができますし、反応も良好。外付けキーボード初心者の私にはコスパ最強で、かなり気に入っています。
■LGの4K有機ELテレビは映像・デザインだけでなく音に感動
奈津子:2017年に発売された製品の中では、私はLGエレクトロニクスの4K有機ELテレビ「OLED65W7P」(実勢価格72万5000円前後)がとても気になりました。圧倒的な軽さと薄さですし、映像はもちろんのこと製品自体のデザインも美しい点が大きな特徴だと思います。
▲LGエレクトロニクスが2017年5月に発売した4K有機ELテレビ「OLED65W7P」(実勢価格72万5000円前後)
安蔵:昨年末に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日系列)の「家電芸人スペシャル」でもかなり推されていましたね。
奈津子:そうですそうです。厚さが約3.9mmしかなくて、壁にかけられるのも本当に魅力的です。もちろん値段もすごいんですけど……。昨年の3月に行われた発表会では、映像のあまりの鮮やかさに衝撃を受けました。音質もなかなかの臨場感で、映画などでも没入できそうなので、ホームプロジェクターとホームシアターセットを購入することを考えれば高くないのかもしれません。
▲厚さが約3.9mmとかなり薄いのが魅力
安蔵:OLED W7Pシリーズは立体サウンドを実現する「Dolby Atmos」に対応していますよね。7.1chなどの複数スピーカー構成の方がさらに立体感があるとはいえ、バータイプなのにかなりのサラウンド感を実現していました。あのサイズの有機ELテレビはどこも高いですから、デザインと音で選ぶというのもいいですね。
▲スピーカー部がセパレートになっており、本格的な立体サウンドを実現する「Dolby Atmos」に対応している
■スマートスピーカーは今年普及が進むか?
奈津子:昨年の大きなトピックスとしては、LINE、グーグル、アマゾンから続々と登場したスマートスピーカーが話題になりましたね。
安蔵:私は全種類持っていますが、音質面でも使い勝手でも、アマゾンの「Amazon Echo」シリーズが一番な気がします。特にこのシリーズは全機種で外部出力に対応しているので、好きなスピーカーにつなげられるというのがほかにはない魅力です。
▲米アマゾンが2017年11月に発売した「Amazon Echo」(直販価格1万1980円)
奈津子:私も2カ月ほど一緒に暮らしていますが、Amazon Echoは音声入力の感度がLINEのClova WAVEやGoogle Homeより高く感じました。それに使える「スキル」の豊富さが圧倒的な強みですよね。米国でのシェアがすでに70%を超えているそうなので、以前テレビ番組の収録の際に、海外出張が多いというゲストの方にオススメしました。実際に現地ではカーナビの代わりに使用しているユーザーもいるそうです。
安蔵:私が使っているのは圧倒的に「Radiko(ラジコ)」でラジオを聞くことなんですが、「J-WAVEを再生します」と言いながらラジオ日本を再生するなど、ところどころおかしな挙動があるのが現時点での難点ですね。
奈津子:私がよく使うスキルは「食べログ」と「クックパッド」です。食べログでは好きな料理ジャンルや駅名を伝えるだけで最適な店を教えてくれるので、デートや女子会にもピッタリです。 クックパッドでも同様に好きな食材や冷蔵庫の余り物を伝えると、ちょうどいいレシピを提案してくれて便利ですよ。
安蔵:それもいいですね。
奈津子:英語での問いかけに対して、同じく流暢な英語でギャグを言ったり、早口言葉を返してくれるのに感動しました。グローバルな教育を念頭に置いている家庭の教育にも向いているかもしれないと思いました。
■エアコンでは「遠隔操作」が当たり前になっていく?
安蔵:続いて「空調家電」なんですが、Wi-Fi内蔵による「遠隔操作」と「見える化」が進みましたね。
奈津子:私はアイリスオーヤマがエアコンを発表したときに衝撃を受けました。別売りのアダプターを設置しなくても本体だけでスマホと連動させられるし、人感センサーも搭載しているにもかかわらず、リーズナブルなのが超高ポイントです。
▲アイリスオーヤマが2017年4月に発売したWi-Fi・人感センサー搭載エアコン。6畳用の「IRW-2217C」の実勢価格は4万9800円で、10畳用の「IRW-2817C」は6万9800円とかなりリーズナブルだ
安蔵:アイリスオーヤマが発売するまでは、Wi-Fi内蔵のエアコンってなかったですからね。かなり売れていると聞きます。
奈津子:専用のスマホアプリのインターフェースも分かりやすいので、機械オンチの方やご高齢の方でも使えると思います。アイリスオーヤマはエアコンでいよいよ大物白物家電にも参入したということで、2018年はますます目が離せないです!
安蔵:在阪大手メーカーを退職した技術者が多数アイリスオーヤマに入社しているという話ですから、楽しみですね。エアコンでは個人的にまずパナソニックの「エオリア WX/Xシリーズ」、そしてシャープの「H-Xシリーズ」に注目したいです。パナソニックは初めてHEPAフィルターを搭載する本格的な空気清浄機能を搭載したことと、Wi-Fi内蔵でスマホから遠隔操作もできるようなったのが特徴です。
▲パナソニックが2017年10月に発売した「エオリア WX/Xシリーズ」の最新モデルは空気清浄機能とWi-Fiを内蔵し、スマホアプリで遠隔操作や空気の清浄度合いの確認などができる
奈津子:空気の清浄度合いに応じて自動的にフィルターを可動させるので、省エネ性にも悪影響がないというのはうれしいポイントですね。シャープのエアコンはクラウド経由で外出先から操作できるのと、天気や温度を細かく教えてくれる点に「いよいよきたか!」って感じがしました。よくよく考えてみるとエアコンこそ、住んでいる場所の最新のお天気情報に合わせてこその家電ですもんね。
▲シャープが2018年1月に発売するエアコン「H-Xシリーズ」は「プラズマクラスターNEXT」とWi-Fiを搭載した
安蔵:人感センサーによるインテリジェントな運転については三菱電機の「霧ヶ峰」や日立ジョンソンコントロールズ空調の「白くまくん」などの方が一日の長があるかもしれませんが、クラウド経由での連動というのはユニークなアプローチです。それに、現行のエアコンでは唯一アマゾンの「Amazon Alexa」に対応するのも大きな特徴です。
▲シャープのエアコンは国内メーカーでいち早くAmazon Alexaによる音声操作に対応した
奈津子:Wi-Fiにつながる機種なら、今後はアマゾンやグーグルなどのスマートスピーカーから声でコントロールできるようになるのが当たり前になるかもしれませんね。
安蔵:従来比約2倍のパワーになった「プラズマクラスターNEXT」も搭載しましたね。
奈津子:森の中にいるようなリラックス感が得られて集中力も高まるという研究結果が出たそうですね。冷暖房を使わない時期でもプラズマクラスター発生器としてフル稼働できるのはコスパがいいなと感じました。本体を清潔に保ってくれる機能も、ズボラな人間からするとうれしいですね。
安蔵:エアコンは熱中症を防ぐ意味でも重要ですし、高齢社会の中で「見まもり」用途としても期待されるため、今後Wi-Fi内蔵のトレンドは広がっていくと思います。
■空気清浄機は「見える化」が進む 空間除菌脱臭機も登場
安蔵:シャープは空気清浄機にも「プラズマクラスターNEXT」を搭載し始めましたが、個人的にとても気になったのがパナソニックの「ジアイーノ」です。空気清浄機のイオン機能とは比べものにならないほど強力に除菌・脱臭できる「次亜塩素酸」を、塩水を電気分解させるだけで発生させるため、低コストかつ安心して使えるのが魅力です。
▲パナソニックが2017年9月に発売した空間除菌脱臭機「ジアイーノ」
奈津子:これは確かにすごいですね。デモ機でカレーのニオイをこ消す実験を体験させてもらったのですが、本当にニオイが消えて驚きました。介護施設やや病院などの現場で使われているだけのことはあります。
▲展示会でのデモの様子。「透明ボックスの中にカレールウが置いてあるのですが、ジアイーノが運転しているボックスの中からはそのニオイが感じられません」
安蔵:安いモデルでも約10万円とかなりの価格ではあるので、そこが最大のネックではあります。
奈津子:ペットを飼っている家庭ではペット臭が気になりますし、受験シーズンには風邪を引きたくないですから、そういう家庭では特に価値が高まりそうです。確かに安くはないですが、私は絶対に風邪を引けないビジネスパーソンや、声の仕事をされている方などにこれをオススメしました。
安蔵:奈津子さんはほかに気になる空調家電はありましたか?
奈津子:ダイキン工業の加湿空気清浄機「MCK70U」です。プラズマ放電を用いた「ストリーマ」で加湿する水まで除菌してくれるのが大きな強みですよね。また花粉と有害物質にダントツで強いのが大きなポイントだと思います。私は極度の花粉体質で春だけでなく夏の終わり頃から秋の終わりまで花粉にやられているのでダイキンの力強さはとても心強いです。
▲ダイキン工業が2017年11月に発売した加湿空気清浄機「MCK70U」(写真中央、実勢価格5万5350円)。右はスリムタワー型の「MCK55U」(同4万9980円)
安蔵:MCK70Uはストリーマの放電量が従来比2倍になって、電気集塵方式を採用しなくても高性能を維持できる独自の「TAFUフィルター」を搭載したのも特徴ですね。さらにWi-Fiを内蔵し、遠隔操作や空気の見える化ができるようになりました。
奈津子:デザインも海外メーカーの家電ほどスタイリッシュではないかもしれませんが、空間に溶け込みやいシンプルかつ優しい感じが好みです。
安蔵:あともう1つ、三菱電機の衣類乾燥除湿器「サラリ MJ-120MX」も挙げさせてください。「部屋干し3Dムーブアイ」が衣類の湿っている箇所を検知し、そこに向けて重点的に風を送ってくれるというのが大きな特徴の除湿器です。
▲三菱電機が2017年4月に発売した衣類乾燥除湿機「サラリ MJ-120MX」(実勢価格3万4510円)
奈津子:サーチライトみたいに、緑色のライトで風が当たっている場所を教えてくれる機能が親切ですよね。風量とスイングが絶妙なので、厚手の衣類もすぐに乾く点が高ポイントです。
安蔵:「光ガイド」と呼ばれるライトを使って重点的に乾かしたい場所を指定し、そこだけ風を当てる機能もあるので、体操着や上履きなどの洗ってすぐに乾かしたいものを素早く部屋干しするのに便利なんですよ。
▲緑色の「光ガイド」によって乾かしている場所が一目で分かる
奈津子:光ガイドで乾かしている場所や乾かしたい場所が分かるというのも、スマホで空気の清浄度合いが分かるのとは違う「見える化」ですね。
安蔵:そうなんです。状況が分かることによって製品の付加価値も上がりますから、2018年はより見える化が進むのではないかと思いますね。
(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」
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