救急車を呼ぶか迷った時は…。救急受診アプリ「Q助」を知っておこう
&GP / 2018年9月9日 15時0分
救急車を呼ぶか迷った時は…。救急受診アプリ「Q助」を知っておこう
9月9日は、きゅー・きゅーの語呂から「救急の日」に定められています。また、今年は9月9日から15日までが救急医療週間となります。そこで、本記事では、総務省消防庁が推奨する全国版救急受診アプリ、相性「Q助」についてご紹介。いざという時に、救急車を呼ぶべきかどうかの判断の助けとなるでしょう。
■該当する症状・症候を選択して行くと結果がわかる
全国版救急受診アプリ(Q助)は、「App Store」または「Google Play」からインストールできるスマホ向けアプリとして提供されています。救急医療の専門医師による医療学観点に基づいて作成された「緊急度判断プロトコル ver.2」を元にしており、アプリ画面上に表示される症状・症候のうち、該当するものを選択していくと、緊急度に応じて必要な対応が分かるという仕組みになっています。
百聞は一見にしかず、ということで早速同アプリの画面を見てみましょう。
アプリが起動すると、すぐに質問が表示されるので、該当するものをタップして選択します。最初は重篤かどうかの判断から始まるので、あてはまらない場合には、「どれにもあてはまらない」をタップしましょう。
ここでは、試しに「どれにもあてはまらない」>「(ふつうどおりしゃべれていますか?)はい」を選択しました。
ちなみに、間違えてタップした場合には、画面左上の「前に戻る」をタップすれば、すぐにやり直せます。
続いて、「(ハアハアしますか?)いいえ」>「(顔色、唇、耳の色が悪いですか?〜)いいえ」を選択しました。このように、重大な特徴について「はい」「いいえ」で答える形の設問が多く用意されています。
「(しっかりと受け答えができますか?)はい」>「大人(16歳以上)」を選択しました。このように、年齢に関する設問も重要です。
この場合、該当する症状を選ぶ画面が起動しました。ここでは、「(当てはまるものを選んでください)頭痛」>「(当てはまる症状を選んでください)どれにもあてはまらない」を選択しました。
続いて、「風邪のような症状〜はありますか?」>「どれにもあてはまらない」を選択しました。該当する症状によっては、高齢者や妊婦で判断が異なるケースも存在しますが、その点もしっかり考慮されています。
「結果」が表示されました。緊急度は「黄」なので、すぐに119へ電話をするほどではないが、病院に向かうべきだと判断されました。画面には、選択した症状の一覧が並んでいるので、誤りやその後変化した項目がないかを確認しましょう。
また、画面下部にスクロールして行くと、何科を受診すべきかアドバイスが表示されます。「医療情報ネット」や「全国タクシーガイド」へのリンクもあるので、必要に応じてそのまま検索も可能。
ただし、初見で調べものをすると時間もかかるので、予め使えるタクシーや、主要な医療機関の候補は把握しておくことをお勧めします。
緊急度が「赤」の場合には、「結果」画面に、「119番に電話する」という項目が現れます。ここをタップし、「(電話をかける)はい」>「(119)発信」を選択すると、電話アプリが起動し、119番宛に発信されます。
* * *
平成29年版の消防白書によれば、平成28年に救急車で搬送された人数は562万1218人で、そのおよそ半数が軽傷、その他に分類されています。あまり軽い症状で救急車を呼ぶことは、本当に緊急の案件への対応を遅らせてしまう点で問題です。
一方で、一刻を争う事態に救急車を呼ぶのが遅れれば、手遅れになります。しかし、救急車を呼ぶという行為は、非常に不安を伴うものでもあります。そんな時には、お住いの市町村の救急相談窓口に電話をかけて相談するのもひとつつの手ですが、同じく今回紹介した「全国版救急受診アプリ(Q助)」でも、アプリの設問に当てはめるだけで素早い判断の助けとなります。「すぐに救急車を呼べ」と背中を押してくれることも、当事者になった際に心強いでしょう。
ただし、同アプリの利用規約には「当アプリの利用によりユーザーにとって何らかの不都合、不利益が発生し、また、被害を被った場合でも当庁はその一切の責任は負いかねますので、予めご了承ください」などの注意書きも記されています。救急車を呼ぶ・呼ばないを決断する責任は、あくまでも自身にあることを意識して、アプリでの結果を鵜呑みにしないことも忘れないでくださいね。心配な症状があれば、早めに救急車を呼ぶ、というのが何よりも大切です。
>> 総務省消防庁「全国版救急受診アプリ (愛称「Q助」)」
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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