【世界遺産】バルトのパリ、ラトビアの美しき首都・リガの観光スポット8選
GOTRIP! / 2017年11月28日 6時30分
13世紀からハンザ同盟都市として繁栄した、ラトビアの首都・リガ(リーガ)。中世の美しい町が点在するバルト三国のなかでも最古の歴史を誇る町であると同時に、最大の都市でもあります。
「バルトのパリ」と呼ばれてきた町並みは、本家パリをも上回るほどに美しく、「リガ歴史地区」としてまるごと世界遺産に登録されています。
そんな世界遺産の美しき港町・リガで訪れたい8つの観光スポットをご紹介しましょう。
・リガ大聖堂
現存するバルト三国における最古の建築物のひとつが、旧市街に建つリガ大聖堂。バルトの歴史はここからはじまったといっても過言ではなく、リガおよびラトビアの歴史にとってきわめて重要な場所です。
1211年に僧正アルベルトによって着工された後、幾度となく増改築が繰り返され、18世紀後半に現在のような姿となりました。そのため、ロマネスクからバロックにいたるまで、数世紀にわたるさまざまな建築様式が混在しています。
大聖堂内部はさまざまな芸術作品で彩られていて、とりわけ1883年に造られたパイプオルガンと、19世紀にドイツのミュンヘンで制作されたリガの歴史を描いたステンドグラスは必見です。
・聖ペテロ教会
13世紀のはじめに原型となる教会が建てられ、18世紀にほぼ現在の姿となった聖ペテロ教会は、リガを一望する絶好のビュースポットとして有名。全長およそ123メートルの高さの塔の72メートル地点には展望台が設けられており、エレベーターで簡単に上ることができます。
展望台からの風景は、思わず息を呑むほどの絶景。中世の面影を残す旧市街はもちろんのこと、ダウガヴァ川の対岸に広がる旧市街までを見渡すことができます。
・聖ヨハネ教会
13世紀に建造され、16世紀に再建されたゴシック様式の教会。
中世の時代、生きた人間を壁に入れ込めばその建物を災いから守ることができると信じられていたため、この聖ヨハネ教会でも2人の修道士が志願して壁の中に入り殉教しました。しかし当時の法王は彼らを聖人とは認めなかっため、穴はふさがれ、2人の修道士たちは人々の記憶から消えていきました。
ところが、19世紀半ばに行われた教会の修理の際、この逸話を知っていた人が壁をたたいてみると空洞が見つかり、彼らの遺体が発見されることとなったのです。現在外壁に見られる十字架型の穴は、のちに2人の修道士を記念して設置されたもの。
教会内部で有名なのが、美しい曲線を描くリブ・ヴォールト。このアーチ型天井は、リヴォニア(現在のラトビアの東北部からエストニアの南部にかけての地域)で最も素晴らしいといわれています。
聖ヨハネ教会の前には、リガの姉妹都市であるドイツのブレーメンから贈られた「ブレーメンの音楽隊」像が立っています。こちらもお見逃しなく。
・ブラックヘッドの会館
市庁舎広場に建つブラックヘッドの会館は、リガを代表する建築物のひとつ。個性的な建築物が並ぶ建築都市・リガでもひときわ目を引く建物です。
もともとは14世紀に建設された建物でしたが、1941年のドイツ軍の空襲により破壊。その後、リガの創設800周年を記念して1999年に再建が完了。在りし日の美しい姿がほぼ完全に再現されました。
彫金細工と彫刻で彩られた外観で特に印象的なのが、月、日、時間と月齢を刻む大時計。言い伝えによると、中世の時代にこの時計を作った職人は、二度と同じものが作れないよう目をくり抜かれてしまったのだとか。
建物内部には、かつてコンサートやダンスパーティーが開かれていた大ホールなどが再現されています。
・自由記念碑
新市街にたたずむ高さ51メートルの自由記念碑は、1935年にラトビアの独立を記念して建てられたもの。
塔の上に立つ「ミルダ」と呼ばれる女性が、クルゼメ、ヴィゼメ、ラトガレというラトビアの3つの地域を表す星を高らかに掲げ、碑の基部は「祖国と自由に」という文字と、ラトビアの歴史や文化を象徴する彫刻で飾られています。
この記念碑の建設後、第二次世界大戦下でラトビアはナチス・ドイツの軍政下に置かれ、大戦末期からはソ連による再占領を受けます。ソ連時代には反体制の象徴とされ、自由記念碑に近づくだけでシベリア送りにされるという噂もあったほど。
なにも知らずに見ればただの像かもしれませんが、大国の干渉を受け続けてきたラトビアの歴史を踏まえて見れば、特別な感慨が湧いてくるに違いありません。
・国立オペラ座
19世紀に建設された白亜の建物がまぶしい国立オペラ座は、ラトビアを代表する劇場。豪華な内装で知られ、933席の大ホールと300席の新ホールを備えています。
日本では敷居の高いイメージのオペラですが、ラトビアでは誰もが楽しめる娯楽。チケットは安い席ならなんと5ユーロから手に入るうえ、パフォーマンスのレベルは最高とくれば観ない手はありません。
オペラやバレエ、コンサートなど年間およそ200の公演が行われているので、短い滞在期間のなかでも何らかの公演を楽しめる可能性大。公式サイトからチケットの事前購入が可能です。
・中央市場
リガの庶民の活気が感じられるワンダーランドのような場所が、新市街にある巨大な中央市場。屋外には野菜や果物などの露店が建ち、大きな5つのドーム内では肉や魚、乳製品、パン、衣料品、薬、書籍など日常生活に欠かせないあらゆる品物が売られています。
実は、5つのドームはもともとツェペリン型飛行船の格納庫を移築したもの。そういわれれば、その巨大さにも納得です。
イチゴなどのベリー類がお買い得なほか、港町だけあって海産物も充実。歩くだけでラトビアの食文化に触れられる中央市場は、わくわくするような光景の連続です。
・ユーゲントシュティール建築群
リガはヨーロッパでも屈指のユーゲントシュティールの都。「ユーゲントシュティール」とは、19世紀後半にヨーロッパで大流行した新芸術様式のことで、フランス語では「アールヌーヴォー」と呼ばれます。
ユーゲントシュティールの台頭とリガの建築ブームがちょうど重なったために、リガ市内中心部の建造物のおよそ4割がユーゲントシュティール様式で建てられているといわれています。
なかでも、新市街のアルベルタ通りには、初期ユーゲントシュティールを代表する建築家、ミハイル・エイゼンシュテインが手掛けた個性豊かな建築物が並んでいます。
リガのユーゲントシュティール建築の特徴は、デフォルメされた人面や動植物の彫刻が多用されていること。建物を現代アートのキャンバスに見立てたかのような奇妙な建築の数々に、驚き圧倒されずにはいられません。
アルベルタ通りを訪れたら、まるごとユーゲントシュティールの世界が堪能できる「ユーゲントシュティール博物館」も必見です。
中世の建造物から近代建築、さらには市民の台所まで、リガには多彩な表情をもつ見どころがいっぱい。リガを訪れればきっと、町全体が博物館のような風景に魅了されることでしょう。
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