10年前“消滅可能性”ワースト5位の北海道木古内町の今…新幹線開業も、人口25%減の現実 マイホーム取得者に最大600万円補助
北海道放送 / 2024年4月24日 20時56分
ちょっとドキッとしますが、将来、あなたの住むまちは、ありますか?
24日、東京で開かれたシンポジウムです。
人口戦略会議 増田寛也副議長
「消滅可能性自治体は全体にすると744」
あなたの住むマチは、人口が減って将来消えてしまうかもしれない。
そんな衝撃的なレポートが公表されました。
報告書をまとめたのは、民間の有識者らでつくる「人口戦略会議」。
2020年から50年までの30年間で子どもを産む中心の世代となる20歳から39歳の女性が、半数以下になる市町村を「消滅可能性」があるとしました。
その数、全国で744の自治体。
その、およそ6分の1=117が、道内の市町村です。
一体、どのマチが消滅する可能性があるのでしょうか?
登別市民
「消滅ですか?びっくりですよ故郷が無くなるそんなイメージ」
人口の減少が止まらない北海道。
10年前に公表された消滅可能性都市のリストと比べ、見えてきた未来とは?
まずは「人口戦略会議」が24日、公表した「消滅可能性自治体」をこちらにまとめました!
十勝や札幌近郊などを除いて、多くの自治体が「消滅可能性」があるという結果に。
そして、実は10年前、2014年にも同様の分析が発表されていました。
その時の資料からHBCでまとめた全国ワースト5の自治体です。
・1位群馬県南牧村(なんもくむら)
・2位奈良県川上村
・3位青森県今別町(いまべつ)
・4位北海道奥尻町(おくしりちょう)
・5位北海道木古内町(きこないちょう)となっていました。
この10年間で、どんな変化があったのか。
前回ワースト5位の木古内町を取材しました。
190年以上続く、豊漁・豊作を願う伝統の神事、「寒中みそぎ」のマチ、道南の木古内町です。
10年前の報告書では、全国ワースト5位。
20歳から39歳の若年女性の人口の減少率は、30年間で「86.5%」と予測されました。
木古内町まちづくり未来課・田畑裕課長
「消滅可能性都市という名前もそうですけど、その中でも上位に入ったのはショックなできごとでした」
報告書発表の2年後には、北海道新幹線が開業。
駅前に誕生した「道の駅」の効果もあり、マチには、開業前の10倍=年間およそ62万人の観光客が訪れました。
一方で、2014年に4743人だった人口は、今年3591人。
25パーセントも減りました。
今、木古内町が力を入れているのが「移住と定住の促進」です。
木古内町まちづくり未来課・齊藤亘主事
「新しく家を建てられる方、新しく家を購入される方、中古でも大丈夫になっていて、最低100万円から最大600万円まで町で補助を出しています」
おととしから、町内でマイホームを取得する人には100万円。
町外からの移住や子育て世帯にはさらに100万円を上乗せするなど、最大600万円が補助されます。
この2年間で、27世帯が制度を利用し、半数は町外からの移住です。
さらに、新幹線木古内駅から徒歩10分の場所にある2LDKのこの家で、移住体験もできます。
藤田忠士記者
「いや~広いんですね」
木古内町まちづくり未来課・齊藤亘主事
「この家は家具、家電がついている家になっていて、冷蔵庫をはじめ、電子レンジも炊飯器もポットも全部備え付きで、身一つで来ていただいて木古内町の暮らしを体験できる住宅になっています」
期間は1週間から1か月、夏場は光熱費込みで1泊1500円です。
三重県から体験に訪れた男性は…。
三重県からの移住体験者
「荷物1つ、服1つでこっちに来て体験できるので、それはありがたい取り組みだと思う。暮らすだけではなくて職業体験とか、そういうのがあれば、より住みたいなという思いは出てくると思う」
木古内町まちづくり未来課・田畑裕課長
「木古内で何ができるかみたいなところを感じている人が多いと思うので、木古内はどういう特色というか、魅力を出していけるか。
これからもチャレンジしていかなければいけないと思っている」
「マチを消滅させない」ための模索が続いています。
木古内町の人口が増えていない理由について、観光まちづくりが専門の北海商科大学の池ノ上教授はこう話しています。
北海商科大学・池ノ上真一教授
▼近隣の都市から人口を奪い返そうにも函館に奪い返す人口がいない
▼人口減少後の社会や都市環境をどう作り直すか対策することが重要
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