老舗のバターはなぜ誕生?運河のマチで愛される名物団子のこだわりとは?昭和100年となる今年、創業100年を迎える北海道の企業に聞いた“地元で愛されるワケ”
北海道放送 / 2025年1月10日 20時11分
今年は昭和で数えると、ちょうど“昭和100年”となります。
この記念すべき年に、北海道内で創業100周年を迎える企業があります。
・堀内大輝アナ
「“雪印バター”って書いてありますけれど、歴史感じますね~新聞広告だ」
手探りで始まったバター作り。黄色いパッケージは、100年の時を経ても変わりません。
・試食した女性
「おいしい!歯が悪くても私でもちょうどいい」
画期的なアイデアが生んだ串だんごが大ヒット。今年、創業100年を迎える北海道内の企業が、いまも愛され続けるワケは、いったいどこにあるのでしょうか。
◆雪印メグミルク(札幌市 1925年創業)
堀内大輝アナ「あ~すごく大きいですね」
・雪印メグミルク酪農と乳の歴史館 菅谷正行館長
「牛乳を充填する部屋です。いまちょうど流れているのが“毎日骨太”です」
雪の結晶のトレードマークでお馴染み『雪印メグミルク』。札幌で創業したのは1925年です。
札幌工場の敷地内には、100年の歴史に触れられる『酪農と乳(にゅう)の歴史館』があります。
大正から昭和初期は、輸入の乳製品が増え、北海道の酪農業は大ピンチに陥りました。
そんなピンチの中、酪農家たちが組合を立ち上げ、バターの製造に挑んだのです。
・雪印メグミルク酪農と乳の歴史館 菅谷正行 館長
「(当時は)機械設備もなくてすべて手作りでバターを作っていたんですね。その時に最初に使ったバターチャーン製造機です。この中にクリームを入れて、ひたすら、ひたすらかき混ぜます」
(Q.手作業で?)「はい」
当時のバター1箱(450g)は、いまの価値で3000円ほどする高級品でした。
その“高級な”バターを庶民にも広めようと、レシピ本を作り、200種類ほどのバターを使った料理を紹介しました。
・雪印メグミルク酪農と乳の歴史館 菅谷正行 館長
「“温かいご飯にバターをかけて食べた時…”ということで」
・堀内大輝アナ
「北海道民にはお馴染みの、温かいご飯にバターをのせる食べ方が…」
・菅谷正行 館長
「そういう提案が、もうこの当時にされてるんですね」
・堀内大輝アナ
「おもしろいですね~」
その後、チーズやヨーグルトなど、さまざまな乳製品を食卓に届けてきた『雪印メグミルク』。
今年は創業100周年のプロジェクトを計画中です。
◆野島製菓(小樽市 1925年創業)
・堀内大輝アナ
「小樽で100年続く老舗の『野島製菓』です。こちらの団子に“うんうん、コレコレ!”というかたも、多いのではないでしょうか」
野島製菓の名物『コハクだんご』という名前は、皆さんも、聞き馴染みがあるかもしれません。
・男性
「お馴染みの味?そうですね。3時のおやつでは足りなくて、午前10時のおやつで食べていました」
・女性
「おいしい。歯が悪くてもちょうどいい。野島さんのお菓子は全部おいしいよ」
一見、普通の“串だんご”ですが、長年、愛される魅力はどこにあるんでしょうか。
・野島製菓 野島弘社長(3代目)
「(50年以上前に使っていた)お団子を丸く成形する木型なんですけれど…」
野島製菓は今から100年前の1925年に小樽で創業。当初は“だんご”ではなく、飴の専門店でした。
・野島製菓 野島弘社長(3代目)
「道内では割と早く、包装飴ひねり(包装)飴で、袋に入れて販売しました」
1970年頃からは“だんご”の製造に乗り出します。
しかし、当時の“だんご”は1日で固くなってしまうため、遠くのマチで販売できないことが、大きな課題になっていました。
・野島製菓 野島弘社長(3代目)
「なんとか“釧路まで送りたい”と先代が…。よく加熱殺菌すれば日持ちするという情報があって」
独自の加熱殺菌の工程と、熱に強い包装資材を導入するという画期的なアイデアで、2週間経ってもやわらかい“串だんご”を実現。
その結果、ついに全道各地に販路を広げました。そして、今も変わらないのは食材へのこだわりです。
・野島製菓 野島弘社長(3代目)
「北海道でつくっているんだから、北海道原料にこだわろうと…。そうすることで付加価値がつけることができました」
うるち米に、砂糖、醤油までも道産品を使用する、北海道ならではの味です。
現在は、日本全国の物産展のほか、アメリカの物産展でも人気を集めています。
・野島製菓 野島弘社長(3代目)
「ちょっと先を見て、やってきたのが、もしかしたら100年続いた理由の一つかなと思います」
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