日本3大王座が年末年始に激動…ジュンが三冠奪取、OZAWAはGHC新王者、ザックはIWGP史上初の連続防衛
スポーツ報知 / 2025年1月11日 5時0分
プロレスの日本3大王座が年末年始に大きく動いた。全日本プロレスの三冠ヘビー級選手権は、大みそかに斉藤ブラザーズの兄・斉藤ジュン(38)が初奪取し、世界タッグ王座と合わせて5冠王に輝いた。元日には、プロレスリング・ノアのOZAWA(28)が、デビューから最短記録となる2年4か月でGHCヘビー級王座を戴冠。新日本プロレスの東京ドーム2連戦(4、5日)では、IWGP世界ヘビー級王者のザック・セイバーJr.(37)が海野翔太(27)、リコシェ(AEW)を連破し、史上初の2日連続防衛を達成した。全戦を取材した福留崇広記者がリポートする。
新日本の東京ドーム2連戦は、4日の「WRESTLE KINGDOM19」で行われたザックと海野のIWGP世界ヘビー級選手権が白熱した。ともに東京ドームで初のメインイベント。挑戦者の海野は、エルボーの連打、昨年亡くなった小林邦昭さんから学んだフィッシャーマンズスープレックス、さらにエプロンサイドでのDDTでザックの脳天を突き刺し、場外戦。エプロンでストンピングを浴びせ続け、制止した父であるレッドシューズ海野レフェリーを突き飛ばし、ブーイングを浴びた。
張り手合戦ではザックが激しい一撃でダウンを奪い反撃。セイバードライバーからゴッチ式パイルドライバーで脳天を突き刺し、セイバードライバーでカウント3を奪った。43分44秒の死闘だった。ザックは「カチマシタ!」と日本語で絶叫。海野へ「ココマデオイデ。マッテルゾ」と日本語でエールを送った。5日の「WRESTLE DYNASTY」ではザックがリコシェを20分57秒、クラーキーキャットで仕留め、4度目の防衛に成功。アントニオ猪木さんからの伝統を受け継ぐIWGPをドーム2連戦で連続防衛は史上初めての偉業となった。
元日には日本武道館で「NOAH “THE NEW YEAR”2025」が行われ、三沢光晴さんが創設したGHCヘビー級選手権は、挑戦者のOZAWAが連続7度防衛の王者・清宮海斗(28)を破り、デビューから2年4か月での奪取は、18年12月に清宮が記録した3年を塗り替える最短記録となった。
OZAWAは、静岡市生まれの28歳。22年9月15日、後楽園ホールでデビューし、英国武者修行などをへて、昨年10月に帰国。清宮率いる「ALL REBELLION」に加入したが、左足を骨折。11月17日の名古屋大会で清宮を襲撃し、バックステージで「お前のことがず~~っと嫌いだったんだよ」と罵倒。道場で理不尽なしごきにあったことや、清宮の私生活(彼女の存在や喫煙、キャバクラ通い)を暴露し、強引に挑戦にこぎつけた。
清宮のシャイニング・ランサーをレフェリーを盾に防ぎ、OZAWAが一気に攻勢に出た。雄たけびを上げるとReal Rebelを叩き込み、29分34秒、片エビ固めで清宮を撃破した。OZAWAは「こんなヤツがずっといるから今の惨状があるんじゃないのか」と断じ「ザコは帰れ」と倒れる清宮へストンピングを浴びせた。25年の方舟マットを暴露男が席巻する。
大みそかに全日本が開催した「ゼンニチ大晦日 2024」(代々木第二体育館)では、斉藤ブラザーズの兄・ジュンが王者のデイビーボーイ・スミスJr.を21分47秒、サイコブレイクでフォールし王座奪取を果たした。双子の弟・レイと保持する世界タッグ王座とあわせ“5冠王”となった。
三冠王座は力道山さん、ジャイアント馬場さんの系譜を継ぐ王道タイトル。大相撲の出羽海部屋で「藤の海」のしこ名で幕下までいった力士レスラーは、「オレが勝った。これで三冠チャンピオンだ。最高にいい気分だ」と胸を張り、決めぜりふの「DOOM!」で締めた。
3日の「ニューイヤーウォーズ2025」後楽園ホール大会では、弟とのコンビで鈴木秀樹、関本大介組を相手に世界タッグ王座7度目の防衛に成功した(18分58秒、レイがBBQボムで鈴木に勝利)。V7は、1989年のジャンボ鶴田、谷津嘉章組による最多連続防衛記録に並んだ。文字通り王道マットの頂点を極めた。
マット界は、新時代を担うスターが待望されている。各団体のビッグマッチを取材し、時代が変革する足音が聞こえてきた。(福留 崇広)
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