Ｊ２札幌 ＭＦ木戸柊摩が小柏以来の新人開幕スタメンへアピール「もちろん狙っている」

開幕スタメンを狙うＪ２札幌のルーキー・木戸（左＝カメラ・砂田　秀人）

　Ｊ２北海道コンサドーレ札幌のルーキーＭＦ木戸柊摩（２２）が、開幕スタメンへ突き進む。沖縄・金武町を拠点とした練習が最後となった２３日もキレのある動きで首脳陣にアピール。大体大から加入した今季唯一の新人は、２トップからボランチまでこなすユーティリティぶりで評価を上げている。課題だった守備力を大学４年間で高めてきた成果を発揮し、まずはリーグ戦デビューからの躍進を図る。

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　ルーキーながら木戸が高い志を持って開幕を目指す。大体大２年時に札幌入りが内定。特別指定選手としてルヴァン杯は２、３年時に各３試合に出場も、期待されながらリーグ戦のピッチには立てていない。「Ｊ１の舞台で何かを残したいという気持ちは強かったので、悔しさはある」と自身への歯がゆさを口にする。チーム唯一の新人として迎える今季は目の色が違う。「今年の目標は絶対にＪ１に昇格すること。そこに貢献できるよう、努力していきたい」。まずは念願のＪデビューからの飛躍を誓った。

　岩政大樹監督（４２）が新指揮官となり、キャンプではここまで２トップ、トップ下、ボランチと、様々な位置で起用されている。高い技術と広い視野を生かした展開力で、攻撃にアクセントを加えられるのが大きな特長だ。木戸の存在は１年でのＪ１復帰を目指すチームの大きな力となる。「中央付近ならどこでもできるし、やりたい」とあらゆるポジションに対応する覚悟もできている。

　即戦力として期待されるだけに「開幕スタメンはもちろん狙っているし、全試合に絡みたい。どのチームの大卒選手よりも自分が存在感を出す。そこは負けたくない」。チーム内でのし烈な争いを制し、２１年のＦＷ小柏剛（現・ＦＣ東京）以来となる、新人開幕先発の座を勝ち取りにいく。

　身長１７０センチ、体重６３キロと決して恵まれた体格ではない。「高校ではもう少し小さくて、守備はほとんどやらなかった。ユースからトップに上がれなかった理由にも守備と挙げられた」。大学進学後は「正直嫌い」と苦笑いする守備力強化に着手。「うまいだけでは生きていけない。大学４年間でボールを奪い切ることだったり、１対１のところにはフォーカスしてきた」。沖縄キャンプ中の実戦でも体の入れ方やタイミングでボールを奪う場面を何度も見せている。「迫力の部分をもっと追求して、自分の武器にできるように」。苦手を克服してプレー幅を広げ、定位置取りにつなげる。

　２４日のＪ１・Ｇ大阪との練習試合で沖縄キャンプは終わり、２９日から熊本キャンプが始まる。「徐々に状態も上がってきたし、良さも発揮できている。自分がどれだけ存在感を出せるか。楽しみだし、わくわくしてます」。感じる手応えを日々プレーで示し、２月１６日の開幕・大分戦は必ずスタートからピッチに立ち、輝きを放ってみせる。（砂田　秀人）

　◆木戸　柊摩（きど・しゅうま）２００３年１月２日、札幌市生まれ。札幌Ｕ―１５、同１８と下部組織で育ち、２１年４月に大体大へ入学。Ｕ―１６とＵ―１９で日本代表候補に選出。２３年３月、大学２年生ではクラブ史上初めて、２５年シーズンからの加入内定が発表された。同校３～４年時はＪ公式戦に出場可能な特別指定選手として、ルヴァン杯に計６試合出場。１７０センチ、６３キロ。右利き。背番号は３１。

　◆Ｊ２札幌◇復帰　１８日の栃木ＳＣとの練習試合で左膝を痛めたＦＷキングロード・サフォ（２３）が２３日、沖縄・金武町で行われた練習に合流。また、１１日の練習中に左内転筋を痛めたＦＷジョルディ・サンチェス（３０）は、ミニゲーム以外のメニューを消化した。