仮面ライダーウィザード。躾とおばあちゃん。

インフォシーク / 2013年2月26日 17時30分

まさかの、仮面ライダーおばあちゃん!

お、惜しい!

思わず私はつぶやいた。第24話(2月24日放映)の仮面ライダーウィザードを見ながら、である。

第24話のウィザードでは、2号ライダー・仮面ライダービーストがオカマ化する。事情は複雑なので(まぁ、そうでもないけど…)説明しないが、いつもは獣のように荒々しく闘うビーストが、魔法少女と名乗って女性のようにお尻をブリブリしながら闘うのである。美少女仮面ポワトリンの効果音まで使っていたので、なんとも遊び心(?)ある演出であった。

しかし残念なのは、それらは全て、あくまでビーストの演技である、という設定だった。

別にいいじゃないの、オカマの仮面ライダーのままでも! と思ったのである。いや、ビーストのキャラクター設定より良いという意味では全くなく、そもそも私は、仮面ライダー自体もっとブッ飛んでほしいと考えているのだ。前回の仮面ライダーフォーゼはテーマが宇宙、今回の仮面ライダーウィザードはテーマが魔法、すでにブッ飛んでいるといえばそうだが、どうせなら細かい設定ももっとブッ飛んでいいと思う。仮面ライダーフォーゼのときは、先生役で出ていたアンガールズの田中が間違って変身ベルトを巻いて、一度限りの仮面ライダーになればいいのに!と思っていたし、ウィザードが始まったときは、小倉久寛が小さくて強いカンフーパンダみたいな仮面ライダー2号になればいいのに! と思っていた

世の中は良くも悪くも、昔と比べて表現がブッ飛んでも平然と楽しむ風潮になった。例えば「進撃の巨人」などもその一つかもしれない。今の仮面ライダーも、多少のことはやってしまってもむしろちょうど良いだろう、と勝手に思っている。

そんなこんなで仮面ライダーウィザードだが、第24話はおばあちゃんの話であった。上京してきた仮面ライダービーストのおばあちゃんに、ビーストがビビりまくる。子供の頃からやたらと叱られたらしい。回想シーンが流れたが、しかしおばあちゃんの叱り方は、毅然としていていまどきにない新鮮さがあった。

最近、街で我が子を怒鳴っている親をよく見かけるが、ほとんどは躾ではなく、感情にまかせて怒鳴っているように見える。どうにも自制できずに感情をぶつけることで、親が子供に甘えているように見えるのだ。しかし子供は子供。そんな激しい甘えを受け止められるわけはない。世の中の虐待のほとんどは、このような悪いスパイラルから生まれているように思えてならない。

その点、ビーストのおばあちゃんは立派であった。「高いところにのぼるな」「川に一人で行くな」いちいち根拠があるし、我を見失っていない。若きビーストは不満だろうが、客観的に見るとサザエさんの波平のような悪くない叱り方である。

ほんのほんの少しだけ残念なのは、おばあちゃんがもっと強引にストーリーを進めていくか、と思っていたことだ。前週に流れた予告編で、第24話におばあちゃんが出てくることと、ビーストが女性っぽく闘うことは、断片的にわかっていた。そこで私はてっきり、ビーストのおばあちゃんが間違って仮面ライダービーストのベルトを巻いて、一度限りの仮面ライダーおばあちゃんになるんだな! そうかそうか! と期待してしまっていたのである。さすがにそこまではブッ飛ばなかった。少し残念だ。

今、おばあちゃんは怪人から狙われている。怪人は仮面ライダーの仲間を人質にとり、助けてほしければおばあちゃんを差し出せ! と仮面ライダーに絶賛要望中だ。孫の仮面ライダービーストは、大変難しい局面に立っている。

来週のストーリー展開が楽しみである。孫はどんな答を出すのか?!

…と同時に、やっぱりおばあちゃんが一度だけ、仮面ライダーにならないかな、なんてまだ思っている。

かつて岡本太郎は、「グラスの底に顔があっても良いじゃないか!」と既成概念をブッ壊す名言を残した。仮面ライダーウィザードは面白い。どうせならここから既成概念をブッ飛ばして…毅然とした態度の、総入れ歯仮面ライダーおばあちゃんが一度くらい出ても…いいじゃないか?!

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ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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