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店員に礼を言わない東京人 ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年10月2日 17時30分

大阪・大阪国際空港

なぜ東京人は店員にお礼が言えないのだろう。

例えば、コンビニエンスストア(以下コンビニ)。「498円です」と求められ、払い、「2円のお返しです。ありがとうございました。またお越しくださいませ。」と来たら、大阪人なら「ありがとう。」が当たり前。反射神経のように備わっている。

しかし東京人は「2円のお返しです。ありがとうございました。またお越しくださいませ。」「……。(立ち去る)」と無視。

否、無視というより「なんで店員にお礼言わなきゃならないんだ?コッチは買ってやった客だろ?」とでも言いたげだ。

上京したての頃、コンビニでの精算後、店員に「ありがとう。」と伝えた。すると一緒に買いに来ていた地方出身東京在住の同僚が「え?知り合い?」と聞いてきたのだ。

同僚は「ありがとう」と返すことに違和感を感じたらしい。しかし「ありがとう」と返すことが当たり前だと思っていた私は、きっと同僚には女性店員と私が仲良く映ったのだろうと質問をそのまま聞き入れた。

とはいえ質問がつまらなかったので「顔似てました?生き別れた姉でして」とボケてみると、同僚は余計に困った。その後、嘘ですよと言ったかどうかも憶えていないくらい疎遠になった。

コンビニだけでなく、一人当たりの単価が安い店に行けば文化の違いが見える。食券を購入する店、たとえば牛丼屋や立ち食い蕎麦屋、同うどん屋においても東京は客からのお礼が無い。大阪なら食べ終わると「ごっつぉさん。」くらいの声は聞こえてくるところ、東京人はせっせと飯をかっ込んだ後、食い逃げプレイでも愉しむかのように茶碗に箸を置いた瞬間、一目散に外へ飛び出す。

そんな東京人はスマートに行動しているつもりだろうが、逆にかなり意味合いが濃い。仕事中以外は誰も干渉するな、俺の時間に入ってくんな、とアウトドアな引きこもり気質を自称しているかのようなプロパガンダに見える。

こんなこともあった。マクドナルド渋谷センター街店でセットメニューを買ったあと「ありがとう。」と返すと、かわいい声で「…いえ、どういたしまして。」と言われたことがある。

言い返されるとは!とびっくりしたし、店員が若い女性ならキュンとなったはず。すぎむらしんいち作品のマンガに出てきそうなおじさんだったので恋は生まれなかったが、東京人がいかにお礼を言わない文化なのかが実感できた。

これまで知人他人を問わず人間観察を行った結果、東京人全員が礼を返さないとは限らない様子。しかし、礼を返さない東京人の多さが目立つ上に、礼を返さない東京人の特徴が見えてきた。それは礼する対象を上司、上客、恐妻、義父母、SM嬢位と決め、礼に重きを置いている人。すなわち大都市東京へ出て来て縦社会に服従してしまってしまった、「職場だけ弁慶」な人と推測される。

私は「ハキハキと礼や挨拶が出来ない人はダメ」とか言っちゃう人が苦手だ。表面で判断するなんて綺麗事だし、強要は自由を殺す。元気が大事!だなんてアホな標語は要らない。でも、コンビニ店員に礼の一つも言えない人の方が怖い。個性を捨て日々忙しく、へいこらと頭を下げた分だけ立派になる自分を想像しているのだろう。そしてどこか同じ場所をぶたれ過ぎて心が脆くなっている自分に気が付いていないのだろう。周りが見えていない人、プライベートが空虚な人は怖い。

大阪特有かもしれないこの文化は、なにも大声は必要ない。「ありがとう。」や「おおきにぃ。」は店員にのみ聞こえる程度で十分気持ちが伝わるもの。東京に生きる重圧社会の被害者たちは心に余裕を持つためにも、「セイホー?」て言われて「ホー。」を返すような、カジュアルに礼が言える人間らしさ復活を。

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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