【東京五輪 25日の見どころ】高藤に続け！日本勢にメダルラッシュの予感?!

柔道男子・60キロ級で高藤直寿が見事な金メダル、同じく女子48キロ級で渡名喜風南が銀メダルと2つのメダルを獲得した日本。大会3日目は29競技75種目が行われる。24日は競泳で優勝候補の瀬戸大也、3連続金メダルを目指した体操・内村航平の予選落ちという残念な結果もあったが、25日にも続々とメダル候補が登場する。

注目はやはりお家芸・柔道か。男子66キロ級の阿部一二三、女子52キロ級の阿部詩は兄妹での同日金メダルを狙う。幸先のいいスタートを切っただけに、金8個となったアテネを超える成績を目指す。
また、競泳の女子400m個人メドレー決勝に臨む大橋悠依は予選を全体3位で通過。世界水泳選手権で2大会連続でメダルを獲得の実力者、予選での泳ぎには余力があっただけにメダルへの期待は高まる。
新種目のスケートボード・男子ストリートもメダルの可能性は高い。6月にイタリアで行われたストリート世界選手権で堀米雄斗が優勝、白井空良が3位に入り、金メダルも狙える位置にいる。
フェンシング男子エペに出場する山田優は世界ランキング4、見延和靖は10位とこちらもメダル圏内の実力者だ。

過去のオリンピックで実績のある選手らも次々に登場。バドミントンの桃田賢斗や奥原希望、カヌーの羽根田卓也ら各競技の日本を代表する強豪選手が初戦に臨む。

南アフリカとの初戦に勝利したサッカー男子はメキシコと対戦。グループリーグ突破へ重要な一戦となる。

【サーフィン】
7:00～　男子第1ラウンド
10:20～　女子第1ラウンド
13:40～　男子第2ラウンド
15:00～　女子第2ラウンド

東京オリンピックからの新種目となったサーフィン。日本からは男女合わせて4人の選手が出場するが、男子の五十嵐カノアと大原洋人の2人は初代王者の座を狙える存在だ。
ハワイの言葉で3歳からサーフィンを始めた五十嵐はプロサーファーの両親の元で英才教育を受け、11才でアメリカの主要大会に30勝、14歳でアメリカの18歳以下の大会で最年少優勝。2019年には世界最高峰のチャンピオンシップツアー第3戦「Corona Bali Protected」でアジア人初の優勝など数々の記録を塗り替えてきた「サーフィン界の至宝」と呼ばれる存在となっており、このオリンピックでも初代王者に最も近い存在と言われている。ちなみに、30万人を超えるフォロワーを持つ、人気インスタグラマーでもある。
サーフィンが行われる千葉県長生郡一宮町で生まれ育った大原洋人は13歳でプロテストに合格し、18歳で「Vans USオープン・オブ・サーフィン」で日本人初の優勝するなど数々のタイトルを獲得しており、こちらもメダルの有力候補だ。ちなみに今月結婚と妻の妊娠を発表したばかりの新婚さん。

参考記事
・五十嵐カノアを金メダル本命に推す“3つの理由”。「僕にはあの時優勝することが分かっていた」 / REAL SPORTS
・サーフィン・大原　結婚＆妻妊娠で決意新たに「家族のために」　日本代表3選手合宿 / スポニチアネックス
・《五輪直前ルポ》千葉県一宮町の無観客サーフィン「この夏、逆にいちばん静かな海だとしても」 / 週刊女性PRIME

【スケートボード】
8:30～男子ストリート

こちらも新種目採用のスケートボード。手すりや階段など街中をイメージしたコースの「ストリート」とお椀型のボウルや斜面のコースの「パーク」があり、それぞれのコースでトリックと呼ばれる技の難易度や演技構成を競う。
競技が行われる有明アーバンスポーツパークがある東京都江東区で生まれ育った堀米雄斗は現在世界ランキング2位、オリンピック直前の6月に行われた世界選手権を制し、金メダルの最有力候補だ。
高校卒業後、単身でアメリカに渡った堀米はその行動力・発想力から生み出される数々の独創的なトリック（コース内で繰り出す技術）技で2019年にはスケートボードの世界大会で3連覇を果たし今やスケボー界のビッグネームの一人だ。22歳にして拠点とするロスに1億以上の自宅を購入した、アメリカンドリームの体現者でもある。
19歳の白井空良の強みはトリックの独創性と技術の完成度。新しい技はすぐに模倣されることの多い世界で、彼の名前が付けられた「ソラグラインド」は彼しか使い手のいない唯一無二の大技だ。大けがからの復帰戦となった6月の世界選手権では3位。彼にもメダルのチャンスは大いにある。

参考記事
・スケートボード　堀米の独創性と白井の爆発力が構造変化生む / スポニチアネックス
・スケボー堀米雄斗、生まれ育った江東区で金ドリーム「誰も成し遂げていないことを成し遂げたい」 / スポーツ報知
・スケボー白井「すごく楽しみ」　19歳が意気込み / 共同通信
・なぜ金メダル候補に日本人が？ スケートボード後進国・日本が異様に強いワケ / 文春オンライン

【フェンシング】
10:25～　女子フルーレ個人2回戦
12:45～　男子エペ個人2回戦

2008年北京で太田雄貴が男子フルーレ個人で日本初の銀メダルを獲得、12年ロンドンではフルーレ団体男子で銀メダルと成長著しいフェンシング。胴体を突く「フルーレ」、全身への突きが有効な「エペ」、上半身へ斬りと突きが有効な「サーブル」の3種目がある。
エペに出場する見延和靖は2015年11月のワールドカップで日本人初の個人優勝を成し遂げ、2018-19シーズンにはワールドカップ1勝、グランプリで2勝し世界ランキング1位となり、日本フェンシング界史上初の年間王者に輝いた。間違いなく世界トップクラスの実力者で、メダルの有力候補だ。
同じくエペに出場する山田優は世界ランキング4位。2020年にはグランプリを2勝し世界ランキング2位になっている。山田もまた、メダルには大いに期待できる存在だ。

参考記事
・見延和靖「本気で頂点目指す」　フェンシング五輪代表 / 共同通信
・フェンシングエペ日本代表 見延和靖選手「Chief Sports Officer」就任のお知らせ / PR TIMES
・フェンシング…男子エペの山田優らに期待 / 読売新聞
・【フェンシング】男子エペ グランプリ ブダペスト大会で 山田優選手金メダル獲得！ / PR TIMES

【バドミントン】
10:40～　男子シングルス予選リーグ
11:20～　女子シングルス予選リーグ
12:40～　男子ダブルス 予選リーグ
18:40～　混合ダブルス予選リーグ
19:20～　女子ダブルス 予選リーグ

前回のリオオリンピックでメダルラッシュとなったバドミントン。今回も男女シングルス・ダブルス、混合いずれも世界トップクラスの実力者が揃っており、過去最高の成績への期待は高い。
今回登場するのはリオ銀メダリストの女子シングルス奥原希望、混合ダブルス世界ランク5位の渡辺勇大・東野有紗ペア、女子ダブルス世界ランク1位の福島由紀・廣田彩花の「フクヒロ」ペア、同じく2位の永原和可那・松本麻佑の「ナガマツ」ペア、男子ダブルス世界ランク4位の遠藤大由・渡辺勇大の「エンワタ」ペア、男子シングルス世界ランク13位でオリンピック初出場となる常山幹太、そして世界ランク1位で金メダル最有力候補の桃田賢斗。

参考記事
・「奥原さん」「茜ちゃん」と呼び合うライバル同士「決勝で戦いたい」 / 読売新聞
・金メダルでかなえたい、桃田賢斗アリーナ設立　後進育成＆バド普及へ夢プラン「自分の体育館造りたい」 / スポニチアネックス
・バドミントン　世界ランク1位の福島・広田組が“日本連覇”へ白星発進　初日は日本勢6戦全勝スタート / スポニチアネックス
・常山幹太、躍進へ「自分のプレーを出すことだけ」　桃田賢斗とシングルス勢快進撃へ / スポーツ報知
・バド混合の渡辺・東野組「久しぶりの試合で緊張」…焦らず立て直し逆転勝利 / 読売新聞

【卓球】
11:00～　卓球混合ダブルス準々決勝

リオでは男子シングルスで水谷が銅、団体で男子が銀、女子が銅という最高の結果を出した卓球。それ以上の結果を残したいのはもちろんだが、新種目の混合ダブルスでもメダルを狙う。出場するのは世界ランク2位の水谷隼・伊藤美誠ペア。24日の初戦は4-1の圧勝。メダルへの手ごたえは十分だ。

参考記事
・水谷隼・伊藤美誠組が快勝で初戦突破　新種目の混合ダブルス　悲願の金へ、美誠「楽しんで勝ちたい」 / スポニチアネックス
・“みまじゅん”水谷隼＆伊藤美誠、快勝発進　混合金へ手応え「楽しくてたまらなかった」 / スポーツ報知

【射撃】
9:00～　女子エアピストル予選 9:00～　女子クレー・スキート予備予選 10:00～　男子スキート予選

10m先から直径0.5mmの中心を狙う、全競技中最も繊細な競技、エアピストルに加え女子クレー射撃・スキートもスタートする。静止した的を狙うピストルやライフルと違い、クレー射撃は空中に射出される皿（クレー）、つまり動く的を狙いその的中数を競う競技。クレー射撃には皿が正面から遠くに飛んでいく「トラップ」と左右から飛んでくる「スキート」、さらに2枚の皿が飛んでいく「ダブルトラップ」がある。ちなみに麻生太郎財務大臣は1976年のモントリオールオリンピックに日本代表としてクレー射撃・スキートで出場している（41位）。

女子クレー・スキートに出場する46歳石原奈央子はリオに続く2度目の出場。実家は栃木県で1300年続く古峯神社。同神社の宮司を務める父親もクレー射撃の日本代表経験があり、敷地内には射撃場があるという異色のエリート。ゆくゆくは父親の跡を継いで宮司になるという、“神職スナイパー”だ。

参考記事
・46歳“神職スナイパー”　クレー射撃五輪代表を射止めた「信じる力」 / NEWSポストセブン
・オリンピック代表選手から国会議員へ、首相経験者も / 政治山

【柔道】
12:31～　男子66キロ級3回戦
12:59～　女子52キロ級 3回戦

初日に金・銀という最高の結果でスタートした柔道日本。25日には史上初の同日兄妹金メダルを目指す一二三・詩の阿部兄妹が登場する。
阿部一二三は高校2年で出場した年齢制限の講道館杯で優勝するなど、年齢制限のない国内外の大会で1本勝ちを量産して大会を勝ちまくり、世界選手権3連覇の海老沼匡に勝利するなどして「神童」と呼ばれた。リオオリンピックは後のライバル・丸山城志郎に敗れ出場はならなかったが、昨年12月、その丸山との異例の一発勝負での代表決定戦にのぞみ、柔道史に残る24分間の激闘の末に破り東京オリンピックの代表となった。
得意技は得意技は背負投、体落し、そして袖と襟を持って投げる袖釣り込み腰。最大のライバル・丸山に勝ってつかんだ代表の座、金メダルを阻むものは誰もいないと言っていいだろう。ちなみに試合では赤いパンツを着用するのを験担ぎにしている。

2018年の世界選手権で一二三と兄妹同時に世界王者になった阿部詩。5歳で柔道を始め、17歳で世界ジュニア選手権に優勝すると、翌18年・19年には世界選手権を連覇した。海外勢にめっぽう強く、16年から19年にかけて48連勝を記録したこともある。
得意技は「本当に尊敬する柔道家。いつまでも追い越せない存在」と尊敬する兄・一二三から学んだ釣り込み腰。

参考記事
・阿部一二三「憧れの野村忠宏さんを超えたい」「目標は４連覇」２５日に詩と史上初の同日兄妹Ｖ挑戦 / スポーツ報知
・「『強い』を超えた『怪物』と言われたい」　阿部詩が柔道家として求める強い女性像 / THE ANSWER
・柔道・最強の肉体を作る…阿部一二三の「バケツ作戦」、阿部詩の「チャンス作戦」とは？ / 読売新聞
・柔道代表・一二三の“決闘”金ボディー　減量法と回復食に極限5％の秘密あり / スポニチアネックス