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伊藤忠が「人事改革の失敗」から得た教訓 “働きやすい会社”を目指すのはやめて、どうしたのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月16日 7時0分

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伊藤忠商事「統合レポート2023」より抜粋

●連載:徹底リサーチ! あの会社の人的資本経営

近年、注目される機会が増えた「人的資本経営」というキーワード。しかし、まだまだ実践フェーズに到達している企業は多くない。そんな中、先進的な取り組みを実施している企業へのインタビューを通して、人的資本経営の本質に迫る。インタビュアーは人事業務や法制度改正などの研究を行う、Works Human Intelligence総研リサーチ、奈良和正氏。

 「厳しくとも働きがいのある会社」という人材戦略を掲げ、大手総合商社の中でも単体従業員数は最少という状況下で、労働生産性を着実に向上させてきた伊藤忠商事。

 同社の人材戦略や働き方改革に関する取り組みを人事・総務部 企画統轄室長 岩田憲司氏にインタビュー。インタビュアーは人事業務や法制度改正などの研究を行うWorks Human Intelligence総研リサーチの奈良和正氏が務めた。

 多くの日本企業が苦戦する中、伊藤忠商事はどのように労働生産性の向上を実現できたのか。過去に「働きやすい会社」を目指した人事制度改革の“失敗”を経て、現在はどのような戦略目標を掲げているのか。また、学生に人気の企業ランキングの上位常連に至るまでの、地道な道のりとは。伊藤忠商事の変革の裏側と、人的資本経営の真髄に迫る。

●人事制度改革の“失敗”を経て……目指すべきは「働きやすい会社」ではなかった

奈良: 伊藤忠商事では、「厳しくとも働きがいのある会社」を目指し、6つの「人材戦略目標」を掲げていますよね。

岩田: はい。(1)優秀な人材の確保(2)働き方の進化(3)健康力向上(4)主体的なキャリア形成支援(5)成果に応じた評価・報酬(6)経営参画意識の向上、6つの目標を掲げ取り組んでいます。

 「厳しくとも働きがいのある会社」において最初に大事になるのが(1)優秀な人材の確保です。そのために、就職活動をしてこれから社会に出てくる大学生とその親御さんへの訴求に力を入れています。

奈良: 親御さんへの訴求も重視されているのですね。

岩田: そうですね。「伊藤ただし(忠)さんって誰?」と言われた時代もありました。このため、数年前からコーポレートブランドを専門的に取り扱う部署を設置し、事業内容や職務内容を広い世代に対して訴求し企業ブランドの向上に努めています。

奈良: 先日も報道されていましたが、大学生の就職人気ランキングではいつも上位にいらっしゃいますよね。

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