伊藤忠「フレックス制をやめて朝型勤務に」 それから10年で起きた変化
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月17日 7時0分
例えば、夜に飲みに行きたいけど、まだ先輩が仕事をしているから帰れないというような日本ならではのしがらみもあって。早く帰りたいけど、帰ったら人事評価が悪くなるから残業しようかな、なんていうことも。
また、ご飯を食べてまた仕事をするという文化もあったのですが、今は正直なくなったと思っています。
奈良: 従業員の行動変容や企業文化の変革を促しながら生産性を高められてきたのですね。朝型勤務導入前後で比較した時の効果はいかがでしょうか。
岩田: 午後8時以降の退館に関しては、12年の制度導入前は30%ほどでしたが、現在は8%まで減少しました。また、午前8時以前の入館は20%から54%に増加し、順調に進みました。
残業時間が結果的に減ってきているということで電気代が安くなり、タクシー代が減るなどいろいろ副次的な効果があって、諸経費が減っているんですね。経済的な効果があるし予定が立てやすいという効果もありました。こういった事も一つの工夫かなと思います。
奈良: 大きな効果ですね。また、朝型勤務の副次的な効果として、社内の出生率が向上したとうかがいました。
社内出生率は働き方の環境をあらわすユニークな指標だと思うのですが、開示背景について教えていただけないでしょうか。
岩田: もともと、社内出生率はわれわれ自身が毎年測定をしていたわけではなくて。当社の産業医から、当社の出生率を計算してみたところ意外と高いというお話をいただいたのがきっかけです。
2010年くらいまでは、東京都を下回る出生率でしたが、今は1.9に近い数値です。理由は一概には言えませんが、朝型勤務の導入が一因だとは思っています。
一見関係がなさそうなんですけども、朝早くきて夕方早く帰るという行動は帰る時の後ろめたさも軽減されますし、柔軟な働き方も含めて働く選択肢を増やすので、一つの要素としてあるのかなと。
企業からすると従業員が少ない中、少しでも長く働いていただける環境を作れたら、従業員のキャリア断絶期間を短縮し、離職防止になるので。こういったことが結果的に出生率につながっているのだと思います。
●著者プロフィール
奈良和正 株式会社Works Human Intelligence WHI総研
●株式会社Works Human Intelligence
大手法人向け統合人事システム「COMPANY」の開発・販売・サポートの他、HR 関連サービスの提供を行う。COMPANYは、人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント等人事にまつわる業務領域を広くカバー。約1,200法人グループへの導入実績を持つ。
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