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なぜ、大阪王将“ナメクジ騒動”告発者は逮捕された? 意外と知らない「公益通報」のあれこれ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月22日 7時0分

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「大阪王将 仙台中田店」(出典:同店舗の公式Facebook)

 2022年7月、全国展開している中華料理チェーン「大阪王将」のフランチャイズ店「大阪王将 仙台中田店」の元従業員を名乗る人物が、同店調理場でのナメクジの発生などの不衛生な状態を告発する内容をSNS上に投稿した。それが瞬く間に全国的な話題となり、会社や行政を巻き込む騒動となったことを覚えておいでだろうか。

 騒動はいったん収まっていたが、今年に入って突如、この騒動が再度話題にのぼることとなった。

 仙台中田店を運営していたフランチャイジーであるファイブエム商事は、元従業員のSNS投稿によって業務を妨害されたとして被害届を提出しており、24年2月、内部告発した元従業員が威力業務妨害の疑いで逮捕されてしまったのだ。そして3月に入り、元従業員は偽計業務妨害罪で起訴されたと報道された。

 ネットユーザーが「勇気ある告発に感謝」と拡散に協力した内部告発は一体何だったのか。そして保護されるはずの公益通報者が逮捕され、起訴にまで至ってしまったのはどういうことか。

 本件を概要だけ聞いて「企業に問題があっても、訴えられる可能性があるなら内部告発なんてできない」「たとえ内部告発されても、告発者を訴えればいいのか」などと判断するのは早計だ。

 本記事では、時系列で何が起きたか、そして何が問題だったのかを解説する。今後類似の騒動が発生しないために、従業員かつネットユーザー側の心得と、企業のあるべき対応についても述べていきたい。

●いったい、何があったのか?

 発端は22年7月、「大阪王将 仙台中田店」の元従業員を名乗る人物が「俺は飲食店社員じゃなく害虫駆除が仕事だった」「もう大阪王将仙台中田店でナメクジ退治とゴキブリ退治やりたくない」など、同店内で恒常的にナメクジやゴキブリが発生していること、店内で飼っている野良猫を従業員が抱っこした後にそのまま調理していたこと、常温保存していた豆腐を腐った状態のまま麻婆豆腐として提供していたことなど、衛生面に問題があった様子をSNS上で告発。

 元従業員が店長とのLINEで「ナメクジ超大量発生してます」「ザルにもいるから気をつけて」とのやり取りを切り取って投稿された写真には、確かに調理場内で撮影されたと思われるナメクジが映りこんでおり、閲覧したネットユーザーからも「大阪王将ひどいな……」「徹底的に調査してもらいたい」などと、店舗の衛生管理に対する批判が殺到する大炎上状態となった。

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