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賃上げの波、中小企業や非正規労働に届かず 大手の「満額回答」とギャップ色濃く

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時0分

 ただし、賃上げ実施予定企業のうち「業績の改善が見られないが賃上げを実施予定」(防衛的な賃上げ)が60.3%を占めている。一方、「業績が好調・改善しているため賃上げを実施予定」(前向きな賃上げ)は39.7%にとどまっている。

 従業員規模別では、賃上げ実施予定企業は301人以上が65.9%と最も多く、11~100人が62.6%、6~10人が50.3%、5人以下が32.7%と、規模が小さい企業ほど低い割合となっている。

 賃上げ実施予定企業のうち、賃上げ率の見通しについては「3%以上」とする企業が36.6%に達し、昨年同時期の33.5%から3.1ポイント増加している。中身を見ると、5%以上上げる企業の割合が10.0%、4%以上5%未満が9.3%、3%以上4%未満が17.3%となっている。

 また、賃上げの内容については定期昇給と回答した企業が70.4%、ベースアップが49.1%にとどまっている。

 賃上げ率3%以下では物価上昇率を下回り、生活は苦しいままだ。少なくとも物価を上回る実質賃金をプラスにするには4%以上の賃上げが期待されるが、この時点では渋い結果になっている。

 大企業の大幅賃上げはスタートにすぎない。国民の大多数を占める中小企業の社員や非正規労働者の生活が少しでも楽になる賃上げが実現するのか。本当の正念場は4月以降の動向にかかっている。

●著者プロフィール

溝上憲文(みぞうえ のりふみ)

ジャーナリスト。1958年生まれ。明治大学政治経済学部卒業。月刊誌、週刊誌記者などを経て独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』で日本労働ペンクラブ賞受賞。

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