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なぜ、アマゾンは「薬局ビジネス」に注力するのか? 競合の“破壊者”となる生成AIの実力

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月10日 12時50分

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【画像】アマゾンの狙いは

 Amazonの「薬局ビジネス」に対して、生成AIがどう役立っているかご存じでしょうか? AmazonといえばECのイメージが強いですが、実は2020年以降、医療ビジネスに積極参入しています。

 例えば22年7月にはヘルスケアサービス企業である米One Medicalを約39億ドル(約5900億円)で買収し、ヘルスケア分野への取り組みを拡大する意向を示しました。この買収には、米国の医療保険制度やかかりつけ医制度といった背景の下、診察予約や薬の受け取りなどのプロセスを改革し、さらに遠隔医療やデジタルヘルスツールを通じてサービスを拡張することが目的とされていました。

●Amazonが薬局ビジネスに注力するワケ

 Markets and Marketsが発表した23年の最新レポートによると、米国のデジタルヘルスケア市場は22年時点で3946億ドルに達し、27年までには9745億ドルの規模に拡大すると予測されています。この要因として、以下のような背景が考えられます。

・コロナ禍による、電子処方箋(しょほうせん)の浸透やオンラインでの遠隔診療の技術の向上

・デジタルヘルスサービスや製品を提供する医療機関の増加

・糖尿病や肥満など、常時監視や長期的なケアを必要とする慢性疾患の増加

・医療保険制度改革法(ACA、通称オバマケア)の導入拡大(オバマケアによって、医療へのアクセスをより便利で安価にすることで、医療機関がインセンティブを得られるようになった。そのため、コスト削減、患者ケアの質を向上させる手段としてデジタルヘルスケアソリューションを導入する医療機関が増加した)

 このような状況を受け、Amazonが20年に開始したのがオンライン処方サービスのアマゾンファーマシーなのです。

●オンライン上で全て完結? アマゾンファーマシーの実力

 アマゾンファーマシーを利用することで、ユーザーはWebサイトや専用アプリから処方薬を注文し、自宅に配送してもらうことが可能です。また、支払いには医療保険も適用できます。従来の方法では、病院で処方箋を発行してもらい、別の場所にある薬局で薬を受け取る必要がありました。このプロセスには時間と手間がかかっていました。

 それに対し、アマゾンファーマシーはこの一連のプロセスをオンライン上で完結できるため、非常に便利なサービスとなっています。さらに、Amazonプライム会員向けにクーポンや無料配送サービスも用意し、既存ユーザーの囲い込みを図っています。こうした取り組みにより、1年間で利用者数を倍増させることができました。

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