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パチンコだけじゃない! 業界大手マルハンが仕掛ける、次の「意外なドル箱ビジネス」とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月20日 6時30分

 こうして23年11月、麻布台ヒルズのオープンとともに開店した高級居酒屋「うちやま」は、午後5時半から午後11時までの営業で、30席ながら日商約50万円を販売し、好調だ。顧客単価は約1万円で、6600円のおまかせコースを注文する人が多い。

 木箱に入った日替わり鮮魚を顧客が選んで、お好みで煮物、焼物、揚物に調理するサービスも好評で、天婦羅 みやしろのナンバー2だった職人が揚げるフライの人気が高い。

 「ひやかしで来た外食の経営者たちも、私が楽しそうに現場で働いているのを見て『自分ももう一度、現場に立ってみようかな』と話し、帰っていく人が多い」と、内山氏は手応えを感じている。

●宿泊施設も好調 海外需要を取り込めるか

 マルハンが第2の柱と考えているのは、富裕層に向けた観光事業だ。再生を果たした、太平洋クラブのようなゴルフ事業もその中に入るだろう。宿泊施設も、既に山梨県甲州市に温泉旅館「笛吹川温泉 坐忘」をオープン。現存する日本最古のワイナリーとされる「まるき葡萄酒」のワインと日本料理のマリアージュを楽しめるなど、山梨の風土を生かしたおもてなしで人気となっている。

 高級な宿泊施設に、高級な飲食店は欠かせない。MUGENには、それぞれの分野に特化した大将や職人たちがやりがいを持ちつつ、束ねるノウハウがあり、マルハン北日本カンパニーにとって頼もしいところだ。なかめのてっぺんのような和の居酒屋に加え、寿司やラーメンは訪日外国人に人気があり、大いにチャンスがある。海外展開も視野に入れている。

 マルハン北日本カンパニーとしてみれば、MUGENをグループに引き入れたことにより、ミシュランレベルの料理はもちろん、幅広い食体験を提供できる体制を整えたといえるだろう。

 日本政府観光局によれば、2月の訪日外客数は、278万8000人となり、同月として過去最高となった。1月も、過去最高だった19年とほぼ同等の268万8100人が日本を訪れている。この勢いだと、年間最高だった19年の3188万人に迫るか、それ以上の外国人の訪日が見込まれる。

 さらに、日本は海外の各種調査で「訪問したい国」の最上位ランクに位置しており、円安の後押しもあって、訪日観光の勢いは止まりそうもない。訪日外国人は日本での食事に期待しており、マルハンは関係会社のひらまつに続いてMUGENがグループ入りしたことで、料理を売りとしたリゾート開発がぐっと具体性を帯びてきた。他にも高級業態として中国料理の新規出店も計画中で、発表が待たれるところだ。今後は、マルハン北日本カンパニー自らホテルや旅館を建てるだけでなく、ホテルや旅館のM&Aも加速していくだろう。

(長浜淳之介)

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