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50歳になっても“現役” 日本発の「モンチッチ」は、なぜ7000万体も売れているのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 5時40分

 そんな顧客の声に応えるべく、モンチッチ誕生20周年となる1994年に復活を決定。約2年の準備期間を経て、1996年に日本および米国(ニューヨーク)、ドイツで再デビューを果たした。

 その際、同社としては予想外の出来事が起きてしまった。もともと売れなくて販売休止をしていたわけではないのだが、約10年の間に、モンチッチが『懐かしい』と思われるキャラクターになってしまっていたのだ。

 「発売当時とは年代も変わり、モンチッチに対して『昔いた』『懐かしい』という印象を持つ人が多くいた。復活当初は『しょうがない』と思っていたが、5年~10年たっても『懐かしい』といわれてしまうことがあった」(山口さん)

 そうしたイメージを払しょくするために、新商品の発売に加え、積極的にイベントも開催。詳細なキャラクター設定を持たない自由度の高さを生かし、「今もモンチッチは現役で活動している」ことを広く認知してもらえるよう、取り組みを続けている。

 2010年からはメインの客層である25~50歳以外の層へもアプローチすべく、高校生とともに開発した「JOLモンチッチ」を発売。デザイナーやアーティスト、人気キャラクターとのコラボ企画も積極的に実施しているほか、セキグチの本社がある東京都葛飾区と協業した各種取り組みも行っている。

 モンチッチを手にした人がいずれ親世代となり3世代、4世代で楽しむなど、後世への広がりも期待しているが、実際にイベントでは親子3代で参加しているファンも多いという。

●SNSによる予想外の反響も

 モンチッチはX(旧Twitter)やInstagramなど、各SNSでも活動の幅を広げている。フォロワー数が最も多い公式Instagramを見ると、30~50代が半数以上。昨今の昭和レトロブームもけん引し、モンチッチを知らなかった若年層へもSNSでリーチしており、「かわいいキャラクターだと思い、調べたらモンチッチだった」という今の時代ならでは顧客接点も生まれている。

 国別では、特に近年タイでの人気が拡大しているという。「芸能人やインフルエンサーがタイ語でモンチッチのハッシュタグを付けて投稿ところ、一気に認知度が広がり、国境を越えてモンチッチを認知してもらう機会が増えた」(新井さん)

 モンチッチの誕生日に合わせ行うイベントに関しても、タイからの問い合わせが増加。購入希望の声も多数届いているようだ。

 「こうしたSNSでの広がりを見ていても、最も大切なのは世の中に出続けること、新しいモンチッチをつくり続けることではないかと感じている。今後はモンチッチファミリーや『チムたん』などの友達キャラクターも一緒に育てつつ、100周年に向けてモンチッチが長く多くのファンに楽しみ喜んでもらえるよう、途絶えることなく続けていきたい」(山口さん)

(熊谷ショウコ)

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