1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「ソリューション営業」はもう古い! これからの時代に求められる「インサイト営業」の有効性

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月7日 8時0分

 しかし、類似した製品やサービスが増え、同じ製品でも複数代理店が取り扱い、製品機能や利便性のみでは差別化が難しく、薄利でのビジネスを強いられるように。「これからはソリューション営業だ! プロダクト愛を語るだけではだめだ!」と、顧客を主語とした課題解決をするソリューション営業スタイルへの変革に意気込んでいたのです。

 そんな私にとって「ソリューション営業はもう限界がきている。ソリューション営業は終焉するんだ」というフレーズは、鈍器で頭を殴られたくらい衝撃が大きかったことを覚えています。

●ソリューション営業と何が違う?

 インサイトは「洞察」や「見識」という意味で、単に顧客のニーズを満たし課題解決をするだけではなく、未知の問題や機会に対する洞察を提供し、顧客に新たな価値を創造する営業スタイルを指します。インサイト営業は、「顧客ですら気付いていない」潜在的な問題や課題を明らかにし、その解決を通じて顧客との深い関係を築くことを目指していきます。

 ご存じのようにソリューション営業は、顧客が気付いている「顕在化した課題」に対して、自社の製品やサービスを用いて課題解決を提案する営業スタイルです。自社の製品やサービスで解決できる課題を逆算し、その課題が顕在化している顧客にアプローチします。

 営業担当は自社のソリューションにつながるような課題を引き出そうと質問力を磨くことが重要でした。つまり、顧客が直面している直近の課題解決に焦点をあて、短期的な成果と効率性を追求する営業スタイルだということです。

 これは、顧客が課題は分かっているが、解決方法が分からないという場合には有効でした。しかし今は、顧客はインターネットやSNS、ChatGPTなどで解決策を調べ、情報を手に入れられます。さらには、この製品はどのように購入したらよいのか、どのような要件でベンダー選定したらよいのかまで、営業に聞かなくても顧客自身で調査できるようになってきています。営業にアプローチしたタイミングで「顧客の購買プロセスの7割が完了している」という調査結果は、皆さんも納得感があるのではないでしょうか。

 既に課題が顕在化され、解決法を顧客自身が分かっている状況では、競合にも同様の情報が共有されているため差別化しづらく、価格勝負になるのは目に見えています。RFP(Request For Proposal、提案依頼書)が提示されたときには、すでにドラフト1位のベンダーが大体決まっているという状態で、営業担当者が自社の優位性を訴求できる状態ではないということです。また、「購買プロセスの前半で既にベンダー選定を終えている」ケースも多いのではないでしょうか?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください