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「ソリューション営業」はもう古い! これからの時代に求められる「インサイト営業」の有効性

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月7日 8時0分

 一方、インサイト営業は、顧客が気付いていない「潜在的な課題」の解決を目指すため、顧客の現状だけではなく未来にも目を向けた、より戦略的で長期的な視点を持ちます。顧客が問題を特定する前段階からアプローチし、数ある潜在的な課題の中から解決すべき課題を顧客と合意することで、商談を優位に進めることができるのです。

 ビジネスにおける競争環境が目まぐるしく変わるVUCAの時代に突入した今、将来成功するには、何を問題と捉え、どんな課題を解決すべきなのか……その本質を捉えられていない顧客も少なくありません。そこで、インサイト営業ではこの「問題を特定」し、「潜在的な課題」を見いだし、整理して言語化することに焦点を当てていきます。

 ここで、理解を深めるために病院に訪れた患者とお医者さんのやりとりをテーマに、ソリューション営業とインサイト営業の違いを見てみましょう。

<ソリューション営業の場合>

医者:こんにちは、どのようなお悩みでしょうか?

患者:こんにちは、最近ひどい頭痛があり、夜もなかなか眠れなくて困っています。

医者:それは大変ですね。では、眠れるように睡眠導入剤と頭痛に効く痛み止めを処方しましょう。

(患者の心の声):またただの薬か……。これで一時的には楽になるかもしれないけれど、なぜこんなに頭痛がするのか、夜に眠れないのかの理由が分からないままだ。

患者:はい、試してみます。ありがとうございます。

<インサイト営業の場合>

医者:こんにちは、どうされましたか? 何かお困りのようですね。

患者:こんにちは、頭痛がひどくて、それに夜もろくに眠れないんです。

医者:それは苦しい状況ですね。頭痛と睡眠不足は相互に影響を及ぼすことがあります。ストレスや不安、あるいは生活習慣が原因かもしれません。最近、生活に何か変化はありましたか?

患者:4月から部署異動があり、慣れない仕事で目下勉強中です。小6の娘のお受験で家庭内がちょっとギクシャクしています。

(患者の心の声): 確かに、最近の仕事のプレッシャーもあるし、娘と妻の関係をうまく収束できない自分の不甲斐なさをストレスに感じてるのかもしれない。これまでの医者はそこまで深く考えてくれなかった。

医者:今回は一時的な痛みを和らげるための薬を処方しますが、同時にストレスマネジメントのセッションも提案します。また、睡眠の質を向上させるための生活習慣のアドバイスも行います。長期的な改善を目指しましょう。

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