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【定額減税】人事に必要な対応は? 住民税・所得税別にポイントを徹底解説

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月20日 7時30分

(2)6月に定めた月次減税額は変化しない

 6月1日を基準日として決定した月次減税額は、その後の家族の出生や出国、離職、転職などによる見込み年収の変化があっても変更しません。

 このような家族数の変化は、上述の通り月次減税におては仮計算です。年末調整をするに当たって最終的な定額減税額を定める際に、あらためて考慮します。

 なお、扶養家族が死亡した場合、年内の扶養数は変更しません。

(3)月次減税を行うかは支給日を基準に考える

 月次減税の実施は「いつ計算を行うか」「何月分の給与なのか」によらず支給日を基準に考えます。

 例えば5月中に計算して6月初旬に賞与を支給する場合は、支給日が6月1日以降なので月次減税を行います。計算中では本人や扶養家族の正確な情報が確定していませんが、これは年末調整で12月末日時点の情報が未確定でも見込みで行っているのと同様に、6月1日時点の見込みで考えます。

 その他の例としては、4月の昇給差額を6月に支給する場合は支給が6月1日以降なので月次減税を行います。10月分の昇給差額を2025年1月に支給する場合は、差額分は2025年の収入と見なすため月次減税は行いません(所得税の定額減税は2024年中の収入に対する制度のため)。

(4)転職者に関する源泉徴収票の記載

 年内に転職する社員が出た場合、転職先の事業者では月次減税は行わず、年末調整時の定額減税のみを行います。前述の通り月次減税は仮計算で最終的には年末調整で定額減税を確定するため、事業者間での引継ぎを行わなくても良いようにすることで事務負担が軽くなるようになっています。

 従って、転職前の事業者では従業員の退職に発行する源泉徴収票には月次減税の結果を記載する必要はありません。源泉徴収税額欄に、算出所得税額から月次減税額を除いた後の、実際に源泉徴収した額を記載します。

(5)手取り額の増減に関する従業員への周知

 定額減税の対象者はいわゆる「手取り」である差引支給額が次のように変化します。

・5月給与に比べて6月の住民税額と所得税額が減少

・6月給与に比べて7月給与の住民税額が増加

・所得税で定額減税が上限まで行われた月、または翌月に税額が増加

 はじめは減税効果により手取りが増加するのですが、減税効果が切れた月から手取り額が減少します。給与明細の差引支給額や銀行口座の振込額を見た従業員から、問い合わせが発生することも想定しておきましょう。

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